1991 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉分化における細胞間相互作用の重要性とその分子的機序
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03833020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三村 直稔 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80157586)
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Keywords | muscle differentiation / myoflast fusion / Neural cell adhesion molecule / muscle specific domain |
Research Abstract |
NーCAM(neural cell adhesion molecule)の筋肉分化における役割をあきらかにする目的で、筋肉に存在する3種のNーCAMのsubtypeを識別する3種のペプチド抗体を作製した。これらの抗体は、筋肉型のNーCAMにしかないMSD(muscle specific domain)の部分配列の合成ペプチドに対する抗体、細胞質領域に対するペプチド抗体、そして細胞外の全てのNーCAMに共通する領域に対する抗体である。これらを用いて、すでに鶏胎仔大腿筋の発生過程においてMSDを有するNーCAMはイノシト-ル燐酸(PI)にアンカ-されているものと細胞質ドメインを持つものとがあり、特にPIアンカ-型は筋肉の形成の進行につれて増加すること、一方MSDを持たないNーCAMは減少するため、ほぼ筋管細胞の形成が一番盛んな時期にNーCAMはMSDを有する筋肉型で、かつPIによって細胞膜に結合しているものに置き変わってしまうことを蛋白レベルで明らかにすることができた。 当該年度では、鶏の胎仔から筋芽細胞を培養し,分化させた場合NーCAMの発現パタ-ンに変化が見られるかどうかをしらべた。その結果、生体内で筋管形成とともに増加し蓄積された筋肉型のNーCAM(MSD有、PI anchored)は、培養細胞でも筋芽細胞が融合して筋管細胞になる時期に対応して分化依存的に増加したが、蓄積はせず筋管形成のピ-クを通過すると、急激に減少し消失してしまうことがわかった。更に、この筋肉型NーCAMのdown regulationは、培地中のcalcium濃度を低下させることにより筋芽細胞間の融合を阻止して、筋管細胞の形成を抑えてやると、みられなくなり3種のNーCAM全ての蓄積がみられた。
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