1991 Fiscal Year Annual Research Report
完全無蛋白初代培養によるニワトリ胚間充織細胞の増殖調節因子群の解析
Project/Area Number |
03833023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡辺 一雄 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00158619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 明 広島大学, 総合科学部, 助手 (50112157)
天野 實 広島大学, 総合科学部, 教授 (00076986)
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Keywords | 無蛋白培養 / 増殖因子 / 繊維芽細胞 / ニワトリ胚 / 胚細胞 |
Research Abstract |
1.本補助金によって購入した遠心濃縮機を利用することにより、これまでの限外濾過法と異なる、より効率的で精度の高い増殖因子の精製法を確立した。これによって、 (1)熱耐性増殖因子が分離され、SAFーIと同様に31KDa付近に活性があることが確認された。この分子の単離とアミノ酸配列の決定を急ぐ予定である。 (2)ヘパリン結合性で熱感受性の増殖因子SAFーIIaは、ニワトリ胚強膜線維芽細胞だけでなく、マウスBalb/c 3T3 A31細胞の増殖も顕著に促進するが、ヘパリン添加の影響を受けないなど、既知のFGFファミリ-の増殖因子とは性質がやや異なっていた。このほかに未知の熱感受性で酸耐性の増殖因子が検出された。 2.あらたに無蛋白培養下でオ-トクライン増殖することが明らかになったニワトリ胚の胸軟骨膜細胞の無蛋白培養上清から増殖因子を分離したところ、各画分の活性分布パタ-ンは、既報のSAFーI、SAFーIIa、SAFーIIbのそれと基本的に一致し、胸軟骨膜細胞だけでなく強膜線維芽細胞に対しても同様の増殖因子活性を持つことが確認された。我々の解析しているオ-トクライン増殖因子群が、前軟骨細胞個有のものらしいことが判った。 3.強膜線維芽細胞を無蛋白培養下でレチノイン酸処理すると、一過性にDNA合成活性の阻害が認められた後、かえって細胞増殖を促進することが判った。このとき培養上清中に熱耐性の増殖因子が増えており、レチノイン酸がこの細胞におけるオ-トクライン増殖因子の産生パタ-ンを制御していることが判った。
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[Publications] Watanabe K.,K.Yagi,Y.Ohya and K.Kimata: "Scleral fibroblasts of the chick embryo differentiate into chondrocytes in softーagar culture." In Vitro Cellular & Developmental Biology. 28A. (1992)
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[Publications] Ohya Y.and K.Watanabe: "Transferrin is not required for growth of scleral fibroblasts in proteinーfree culture." Zoological Science. 8. 1101-1101 (1991)
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[Publications] Morita R.and K.Watanabe: "Effects of retinoic acid on proliferation of precartilage cells of the chick embryo in proteinーfree culture." Cell Structure and Function. 16. 589-589 (1991)