1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ装置に局在するプロ蛋白質の変換酵素に関する研究
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03833033
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
織田 公光 福岡大学, 医学部, 助教授 (10122681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 俊幸 福岡大学, 医学部, 助手 (80190099)
三角 佳生 福岡大学, 医学部, 助手 (10148877)
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Keywords | フュ-リン / プロアルブミン / 補体成分3前駆体 / カルシウム依存性プロテア-ゼ / ゴルジ装置 / プロセシング / トランスフェクション / 部位特異的突然変異法 |
Research Abstract |
プロ蛋白質の変換酵素の有力な候補であるフュ-リン(furin)の細胞内での局在およびその機能を検討する目的で、フュ-リンのcDNAをCOS1細胞に発現させた。フュ-リンのズブチリシン様領域に存在する配列(10残基)に対するペプチド抗体を家免で調製し、発現したフュ-リンの局在を蛍光抗体法により検討したところ、ゴルジ装置に特異的に存在していることが判明した。また、アルブミン、補体成分C3のcDNAと同時にフュ-リンのcDNAをトランスフェクションすることにより、フュ-リンがプロアルブミンから血清アルブミン、プロC3からC3への変換を著明に促進することを見い出した。以上の結果より、発現したフュ-リンはゴルジ装置で血清蛋白質の前駆体のプロセシングに関与していることが確認された。一方、レニンの前駆体であるプロレニンはフュ-リンとともにCOS1細胞で発現しても活性型レニンへ変換されなかった。部位特異的突然変異法を用いて切断部位近傍のアミノ酸の影響を検討したところ、切断部位より上流4番目(-4位)のアミノ酸と+1位のアミノ酸をそれぞれPro→Arg、leu→Serに変異させるとプロレニンがフュ-リンにより活性型レニンへと切断されることが判明した。従って、フュ-リンはその基質特異性として切断部位である連続した塩基性アミノ酸の他に-4位と+1位のアミノ酸を含めた構造を認識していることが推測された。 アルブミンをCOS1細胞で発現させるとプロアルブミンは内在性のプロテア-ゼにより血清アルブミンへ変換後分泌される。部位特異的変異法により+1位のアミノ酸を本来のグルタミン酸から疎水性アミノ酸(Val,leu,Ile)に変えると、プロアルブミンの変換が完全に阻害され、内在性のプロテア-ゼの基質特異性として+1位のアミノ酸の重要性が明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Oda,Ikeda,M.,E.Tsuji,Sohda M.,Takami,N.,Y.Misumi and Y,Ikehara: "Sequence requirements for proteolytic cleavage of precursors with paired basic amino acids" Biochem.Biophys.Res.Commun.179. 1181-1186 (1991)
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[Publications] Y.Misumi,K.Oda,T.Fujiwara,N.Takami,K.Tashiro and Y.Ikehara: "Functional expression of furin demonstrating its intracellular localization and endoprotease activity for processing of proalbumin and complement pro-C3" J.Biol.Chem.266. 16954-16959 (1991)
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[Publications] K.Oda,Y.Misumi,M.Sohda,N.Takami,Y.Sakaki and Y,Ikehara: "Selective processing of proalbumin determined by site-specific mutagenesis" Biochem.Biophys.Res.Commun.175. 690-696 (1991)
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[Publications] K.Oda,Y.Nishimura,Y.Ikehara and K.Kato: "Bafilomycin A inhibits the targeting of lysosomal acid hydrolases in cultured hepatocytes" Biochem.Biophys.Res.Commun.178. 369-377 (1991)
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[Publications] N.Takami,K.Oda and Y.Ikehara: "Aberrant processing of alkaline phosphatase precursor caused by blocking the synthesis of glycosylphosphatidylinositol." J.Biol.Chem.267. 1042-1047 (1992)