1991 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムシグナルの発生と伝達に関する分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
03833034
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
飯田 秀利 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70124435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 寛夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 協力研究員
嶋田 淳子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 学振研究員 (20211964)
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Keywords | 酵母 / Saccharomyces cerevisiae / カルシウムイオン / シグナル伝達 / 分子細胞生物学 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
平成3年度研究計画の根幹をなす計画は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)を研究材料として、カルシウムシグナルの発生と伝達に異常をもつ変異株を単離し、遺伝解析と遺伝子解析を行うことであった。実際、そのような変異株を次の原理に基づいて分離することに成功した。すなわち、酵母の性フェロモンであるα因子のα細胞に作用させるとCa^<2+>の流入が起こる。この応答反応が起こるとき、培地からCa^<2+>を含む完全培地でα因子の作用後特異的に死ぬ細胞を選択すれば、目的の変異株を分離できるわけである。事実、本研究によりそのような変異株を10株分離することに成功し、相補性試験により3つの相補性グル-プ(mid1,mid2およびmid3)に分類することができた。Ca^<2+>の取り込み能を調べる研究から、mid1変異株とmid3変異株はα因子誘導性のCa^<2+>流入機構に変異をもつもの、mid2変異株は流入したCa^<2+>のシグナルを受容伝達する経路に変異をもつものである可能性が示唆された。多コピ-ベクタ-に構築したゲノムライブラリ-からmid1変異を相補するクロ-ンを得た。遺伝解析の結果、そのクロ-ンはMID1遺伝子そのものであることが判明した。塩基配列を決定したとろ、MID1遺伝子産物は疎水性領域を3つもつ分子量61600のタンパン質であった。MID1遺伝子を欠失した変異株(mid1△::HIS3)は増殖することができなかったので、MID1遺伝子は酵母の細胞周期の進行にも必須の役割をする遺伝子であることが分かった。現在、mid2変異およびmid3変異を相補するクロ-ンを得ており、その解析も合わせて進めている。
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Research Products
(1 results)