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1991 Fiscal Year Annual Research Report

ショウジョウバエの神経発生に必須の遺伝子A63の分子生物学的解析

Research Project

Project/Area Number 03833038
Research InstitutionNational Center of Neurology and Psychiatry

Principal Investigator

松崎 文雄  国立精神神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 室長 (10173824)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鍋島 陽一  国立精神神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 部長 (60108024)
Keywordsショウジョウバエ / 神経 / 発生 / 分子生物学 / prospero / 前駆細胞 / 転写調節 / 多様性
Research Abstract

中枢神経系の複雑なネットワ-クを構成する多種多様な神経細胞は、通常、分裂能を持つ前駆細胞から生じる。
ショウジョウバエの腹部神経節を例にとると、神経芽細胞から不等分裂で生じた神経母細胞が一度だけ分裂して一対の神経細胞となる。ショウジョウバエの中枢神経系はこの様に比較的単純な細胞分裂パタ-ンをたどりながら分化するため、神経発生の解析に適当な材料を提供する。
我々は中枢神経系の基本的な発生プロセスにかかわる遺伝子を見つけるために、エンハンサ-トラップ法を用いて致死系統約200を樹立した。そのなかから、神経前駆細胞で発現し、しかも正常な神経発生に必須な遺伝子として同定したのがA63遺伝子である。この遺伝子は独立に発見したグル-プにより、後に、prospero(pros)と命名された。prosは発生過程の中枢神経細胞の形質を決める幾つかの遺伝子の発現に必要であることが見いだされている。
pros遺伝子、及び、その完全長cDNAのクロ-ニングを行い、遺伝子産物の構造を解析した。その結果、properoタンパクは1403アミノ酸からなり、核移行シグナルとhomeodomain様の配列を持つことが明らかになった。予想されるアミノ酸配列の一部に対する抗体を作成し、pros遺伝子産物のembryoでの発現をしらべたところ、蛋白の発現は2次前駆細胞である神経母細胞と特定のグリア細胞に限定され、神経細胞に分裂する速やかに消失することが解った。さらに、pros遺伝子の転写は神経芽細胞より始まるため、翻訳レベルで蛋白の発現調節がおこなわれていると考えられる。pros遺伝子は神経細胞の系譜はで、すべての神経母細胞で発現し、他の遺伝子発現を正、または、負に調節する。このように、prospero遺伝子は、謂わば、"神経母細胞遺伝子"とも呼べる新しいクラスの分化調節因子であることがあきらかになった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Fumio Matsuzaki: "Cloning of The Drosophila prospero Gene and Its Expression in Ganglion Mother Cells" Biochemical and Biophysical Research Communications. 182. 1326-1332 (1992)

URL: 

Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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