2004 Fiscal Year Annual Research Report
自律的負荷分散機能を有するデペンダブルなGRID・P2Pの為の基盤技術
Project/Area Number |
03F03259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
喜連川 優 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MONDAL Anirban 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 分散システム / P2P / GRID / データ構造 / 負荷分散 |
Research Abstract |
(1)1つの統合R木インデックスを用いて、複数の空間関係を持つオブジェクトを管理する手法の開発 たとえば地理情報においてホテル、ショッピングセンター、レストランなど異なった種類のデータを管理する場合、「この地域のホテル」「この周辺のレストラン」のような空間範囲検索と属性検索を合わせた問い合わせ(これをkNWクエリと呼ぶ)が頻繁に行われる。これに高速にこたえるため、従来はそれぞれの種類ごとに別々のR木を作成して管理していた。これに対し、1つの統合R木を用いてkNWクエリにより高速にこたえることが可能なkNR-treeを提案した。 (2)P2Pシステム/GRIDsでの負荷均衡手法の開発 P2PやGRIDのようなネットワーク分散システムでは、特定のノード/ピア(peer)にアクセスが集中して通信性能が極端に低下することがある。そこで問い合わせが集中するノード上のデータを他のノードに複製し、問い合わせをその複製ノードに転送することにより、負荷の均衡をとる(load balancing)手法を開発した[2,3,5]。また、GRID環境下で負荷均衡を保った空間結合(spatial join)を行う新しい戦略も提案した。 (3)P2P環境下での空間インデックス手法の開発 P2Pシステムでは、ユーザが要求するデータを持っていて、かつネットワーク上で近くに存在するピアを発見する必要がある。従来はピアのインデックスを中央で管理するインデックスサーバを利用する手法(たとえばMC-Rtree)が用いられており、このインデックスサーバに問い合わせが集中して通信ボトルネックになるという問題があった。そこで、近隣のピアの所在情報もピアに保存し、伝播することで、インデックスサーバを必要としないP2PR-treeインデックス手法を提案した。
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