2004 Fiscal Year Annual Research Report
共役リノール酸(CLA)のルーメン内代謝とCLA高含有牛乳の作出に関する研究
Project/Area Number |
03F03336
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
板橋 久雄 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SULTANA HALIMA 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 共役リノール酸 / ルーメン / 乳牛 / 牛乳 / アマニ油 / 大豆油 / 脂肪酸カルシウム |
Research Abstract |
乳牛の飼料に大豆油(CaSO)及びアマニ油(CaLO)の脂肪酸カルシウムを9%添加し,ルーメン発酵と乳中の共役リノール酸(CLA)含量に及ぼす影響を検討した。ホルスタイン種乳牛26頭を用い,基礎飼料として,トウモロコシサイレージ,乾草,濃厚飼料を給与し,ミネラルとビタミン混合物を添加した。試験期間は30日とし,最終の2日間に乳などのサンプルを採取した。採食量と乳成分は常法により測定した。ルーメン内容液の揮発性脂肪酸と乳脂肪の脂肪酸組成はガスクロマトグラフィーにより測定した。 その結果,ルーメン内のプロトゾア数と揮発性脂肪酸の生成割合は,これらの添加によりほとんど変化しなかった。いずれの添加によっても,乳量と乳脂率は増加した。また,乳の脂肪酸の中で,オレイン酸,リノール酸およびリノレン酸は増加した。CaSO添加により,乳中のトランスバクセン酸は著しく増加した。乳中のCLAはいずれの添加によっても増加し,特にCaSO添加で著しく増加した。また,いずれの脂肪酸カルシウムの場合にも,乳中のCLAは泌乳期が進むにつれて高まる傾向が認められた。 以上より,油実類の脂肪酸は乳に移行し,乳中のCLAを高めることが明らかとなった。この効果は特に大豆油脂肪酸カルシウムで大きいことが判明した。
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