2004 Fiscal Year Annual Research Report
高リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス複合体を用いた全固体電池の創製
Project/Area Number |
03J00467
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水野 史教 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リチウム二次電池 / 固体電解質 / ガラスセラミックス / 硫化物 / 無機-有機ハイブリッド |
Research Abstract |
本年度は、多成分化によりガラス中のリチウムイオン濃度を高めることによって、Li_2S-P_2S_5系ガラスセラミック固体電解質材料の導電率向上を図るとともに、ガラスと有機ポリマーとのハイブリッド化による新規な固体電解質の作製を試みた。 リチウムイオン濃度の高いLi_2S-P_2S_5二成分系ガラスを加熱結晶化することによって、高リチウムイオン伝導性Li_4GeS_4-Li_3PS_4系thio-LISICON類似結晶が析出する。そこで、Li_2S-P_2S_5系に第3成分としてSiS_2を、第4成分としてAl_2S_3を添加したところ、Li_2S-P_2S_5二成分系に比べてアモルファス化が進行し、リチウムイオン濃度の高いガラスを作製することができた。多成分化されたガラスを結晶化温度付近で加熱したところ、Li_2S-P_2S_5二成分系に比べてthio-LISICON類似結晶を効率よく析出させることができ、Li_2S-P_2S_5-SiS_2-Al_2S_3四成分系においては、室温で1.2x10^<-3>S/cmの導電率を有するガラスセラミックスを作製することに成功した。 一方、Li_2S-P_2S_5系ガラスとポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテルをメカニカルミリング法により反応させ、新規なハイブリッド電解質を合成した。Li_2S-P_2S_5-PEG系においてFT-IR測定の結果、P-O-C結合に帰属できるバンドが確認され、ハイブリッド化していることが示唆された。分子量400のPEG_<400>を0.5mol%添加した組成では、キャリア濃度が減少しているにもかかわらず、ガラスと同等の導電率7.5x10^<-5>S/cmを保持した。ガラス転移温度が減少することによる導電率の向上が示唆される。さらに多量のPEG_<400>を添加すると、導電率は大きく低下した。これは、絶縁体であるPEGが増加し、電解質中のキャリア濃度が大幅に減少したためであると考えられる。
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