2005 Fiscal Year Annual Research Report
デアミノノイラミン酸(KDN)の生合成機構解明と糖鎖工学的応用
Project/Area Number |
03J00935
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 慎司 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シアル酸 / マンノース / 糖鎖工学 / 代謝 |
Research Abstract |
KDNの糖鎖工学的応用を目指し、哺乳動物細胞におけるKDNを中心としたシアル酸の代謝制御機構の解析を行い、以下の成果を得た。 1.KDNの生合成を担う酵素の同定 siRNAの手法を用い、Neu5Ac-9-P synthaseの発現を抑えた結果、KDN量が大幅に低下したことこと、またその他生化学的手法によってこの酵素がKDNの合成を担っていると同定した。 2.KDN量をコントロールする因子の解明 細胞腫により大幅にKDN量が異なる。またガン化によってKDNが増加することが見出されており、この原因を探るため、分子生物学的手法、生化学的手法を用いていくつかのKDN合成制御を担う酵素、条件を見出した。そのうちphosphomannose isomeraseの活性、GLUTの発現、細胞外マンノース濃度が少なくとも重要因子であることを解明した。 3.KDNの細胞内局在メカニズムの解析 KDNが細胞内において他のシアル酸と異なる局在を示した。この機構の詳細な解析を現在進行中。 4.シアル酸の取り込み機構の解析 細胞は外部からシアル酸を取り込むことが可能であるがその機構は解明されていない。その解明を目指し、候補輸送体遺伝子を抑えた細胞株を樹立し、取り込みの解析を行い、メカニズムの一部を解明した。 5.ガンにおけるシアル酸代謝の変化 ガンにおいてシアル酸の量的、質的変化がいくつか報告されている。KDNもガンにおいてその量的変化が報告されており、この変化の原因の解明を行った。その結果、低酸素条件下においてシアル酸の代謝が大きく変化することを見出した。現在その詳細を解析中。 6.シアル酸代謝関連酵素発現抑制細胞株の作成 シアル酸代謝異常によって起こる病気がいくつも報告されている。シアル酸の機能、代謝調節機構の解明およびKDN応用利用を目指し、KDN大量産生株の作成のために現在判明しているほぼすべてのシアル酸代謝関連酵素に対するsiRNAを導入した細胞株を作成し、表現系ほかの解析を行った。
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[Journal Article] Distal myopathy with rimmed vacuoles : impaired O-glycan formation in muscular glycoproteins.2005
Author(s)
Tajima Y, Uyama E, Go S, Sato C, Tao N, Kotani M, Hino H, Suzuki A, Sanai Y, Kitajima K, Sakuraba H.
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Journal Title
Am J Pathol. 166・4
Pages: 1121-1130