2003 Fiscal Year Annual Research Report
南アフリカにおける植民都市の計画理念とその空間構成に関する研究
Project/Area Number |
03J02498
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
佐藤 圭一 滋賀県立大学, 人間文化学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 南アフリカ / 植民都市 / ピーターマリッツバーグ / アフリカーナー / グリッド・パターン / ケープタウン / ディストリクト・シックス / セグリゲーション |
Research Abstract |
本年度は、主に収集した史・資料を用いて、研究対象都市の分析、考察と来年度の本調査のためのベースマップ作成を行った。 アフリカーナー(ボーア人)による南アフリカ内陸の都市計画に関しては、ピーターマリッツバーグを第1の対象都市として選定し、分析、考察を行った。ピーターマリッツバーグは、アフリカーナーの内陸移動にともない1838年に集落形成が始まる。1869年と1906年の古地図を用いてその変容過程を明らかにした。当初は1区画が450×150ft.、10区画で1街区の農耕グリッドを基本としていたが、1869年の時点では、商業や居住に適するよう敷地の細分化が始まっていたこと、さらに19世紀末の急激な人口増加にともない、1906年の時点では全域が細分化されていたこと等を明らかにした。 また、内陸植民都市とめ比較の基礎となるケープタウンでの作業を平行して行った。選定した地区は、都心部に隣接する非白人の居住区であるディストリクト・シックスである。主に収集した古地図、都市図、都市計画図、航空写真、統計資料等の分析、考察を行った。かつての街区が居住環境に少なからず問題があったが、アパルトヘイト体制下において多人種混住の居住区として成立していたこと、また保存されたマレー人居住区であるボーカープとの比較により、ディストリクト・シックスが多人種地区であつたことが過激なクリアランスを被った大きな要因であつたごと等を明らかにした。 入手できた内陸植民都市群の都市図をデータ化し、来年度の本調査のためのベースマップ作成を行った。来年度は、これらの資料を基に非白人居住区の実態を現地調査によって明らかにする。
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