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2005 Fiscal Year Annual Research Report

恒星を取り囲む彗星雲の起源と進化についての研究

Research Project

Project/Area Number 03J03136
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

樋口 有理可  神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords惑星系 / 彗星 / 数値計算
Research Abstract

恒星を取り囲む彗星雲の起源と進化の解明へむけて、微惑星の軌道進化の数値シミュレーションを行なった。彗星雲は微惑星が2段階の力学進化、すなわち(1)惑星散乱による遠日点距離の増大、(2)銀河潮汐力などの外力による近日点距離の増大、を経て形成されたと考えられている。本年度は第1段階の解明の結果を、論文にまとめ、さまざまな学会で発表した。また並行して第2段階の解明も進め、論文にまとめた。
第1段階では、初期条件として中心星と1個の円軌道の惑星からなる惑星系を想定した。そこに任意の軌道要素を持つ微惑星を置き、円制限三体問題のモデルの下で微惑星の軌道進化を数値計算した。数値計算結果を元に、微惑星の運命(惑星への衝突・惑星系外への脱出・軌道長半径の増大)の確率の、微惑星軌道要素、惑星の質量・軌道長半径への依存を解明した。またそれらを再現する簡単な解析的表記の導出に成功した。この結果より、太陽系の彗星雲(オールト雲)の形成に最も寄与した惑星は木星であると推測した。また、惑星散乱により彗星雲候補となる微惑星の確率とその軌道長半径の分布を推定することができた。
第2段階では、近日点を惑星領域に、遠日点を中心星から数千AU以遠に持つ微惑星の軌道が銀河潮汐力によりどのように進化するかを用いて調べた。数値計算だけでなく永年摂動論を用いた解析的解釈も取り入れた。ここでは、銀河潮汐力の、銀河面に対して垂直方向の成分のみを扱った。その結果、太陽系の環境では、長周期彗星の観測から予測されるようなオールト雲の形成は、銀河潮汐力だけでは形成されないことがわかった。オールト雲を再現するには、恒星や巨大分子雲との遭遇が不可欠であることを示すことができた。また、銀河の恒星密度が異なる場合や、惑星系の銀河面に対する傾斜角が太陽系と異なる惑星系に形成される彗星雲の姿を予測した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Scattering of Planetesimals by a Planet : Formation of Comet Cloud Candidates2006

    • Author(s)
      樋口有理可
    • Journal Title

      The Astronomical Journal 133

      Pages: 1119-1129

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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