2004 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成時の強発現するミトコンドリア融合・分裂因子の作用機構と生理的役割の解明
Project/Area Number |
03J03487
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 信治 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミトコンドリア / Mitofusi-2(Mfn2) / 膜電位 / 変異解析 |
Research Abstract |
ミトコンドリア融合因子(Mitofusin-2,Mfn2)は,酵母から哺乳類まで大変保存された分子であるが、その分子メカニズムは未開な部分が多く残っている。そこで種々の欠損変位させた遺伝子を作成し,哺乳類細胞に過剰発現させ,ミトコンドリアの形態の変化を詳細に追った。その結果,2つの膜貫通部位を欠損させたMfn2(Mfn2^<ΔTM>)がドミナントネガティブの活性を持つことを発見し,更に種間で保存された膜貫通部位よりN末端とC末端の2つずつの計4つの部位がこの活性に必要であることがわかった。また、Mfn2の膜貫通部位よりN末端部位とC末端部位をそれぞれ培養細胞に過剰発現させた場合、このドミナントネガティブの活性を持たないのに対し,両部位を共発現させた場合にこの活性をもつことがわかった。更に免疫沈降法を行った結果,両部位が相互作用することを確かめた。そして,この相互作用には保存されたN末端の2つの部位が重要で、かつGTPase依存的になされることがわかった。また,Mfn2のN末端とC末端部位の一部を融合させた遺伝子を培養細胞に過剰発現させたところ,ミトコンドリアの膜電位が消失し,この活性には上記のドミナントネガティブの活性に必要な部位の4つのうち2つの部位が重要であることがわかった(JCS, Honda et al.改訂中)。そして,これらの欠損変異解析をもとに酵母のTwo-hybrid assayによりMfn2と相互作用する分子の探索を行い,2つの候補遺伝子を同定した。しかし哺乳類細胞を用いて更なる解析を行ったところ,これらの相互作用は非特異的で,またミトコンドリアの形態変化に影響を示さなかった。また,このMfn2^<ΔTM>を哺乳類細胞に過剰発現させ、この分子を免疫沈降させ相互作用する分子の精製を試みたが,現在のところコントロールと比較して特異的なタンパク質の検出はできなかった。
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