2003 Fiscal Year Annual Research Report
学校の内外を結ぶ通信環境を活用した学習カリキュラム/学習環境デザインに関する研究
Project/Area Number |
03J03663
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松下 幸司 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 学習カリキュラム / 学習環境 / 通信ネットワーク / インターネット / 博物館 / 総合的な学習の時間(総合学習) / 小学校 / 初等教育 |
Research Abstract |
3か年の研究活動のうち、本年度は特に研究の基礎となるデータを得ることを目的として研究活動を行った。 1)学校教育における博物館活用に関する現状調査 博物館を利用した学習活動の現状について、公立博物館数館において博物館スタッフや利用した小学校教師に対しインタビュー調査を行うとともに、実際に当該館を利用して行われた小学校の学習活動の参与観察を行った。その結果「総合的な学習の時間」や社会科の地域学習などを中心に、一過性の校外学習にとどまらない、長期的学習カリキュラムに位置づけられた博物館利用が積極的になされている現状が見えてきたとともに、博物館のスタッフ不足などから受入が難しいという博物館側の課題も明らかとなった。 2)学校-博物館連携による学習カリキュラム開発における連携形態に関する研究 昨年度実施された、学校教職員と博物館スタッフが連携して学習カリキュラムの開発と実践を行った公立小学校の「総合的な学習の時間」のカリキュラム開発過程の発話分析を行った結果、双方が求める討議視点の一致性や、学習内容・方法の最終判断主体の在り方などが、学校と博物館が連携して学習カリキュラムを開発・実践していく上で重要な視点となることが明らかとなった。本研究成果については、日本教育工学会第19回全国大会において報告した。 このほか、インターネット上の博物情報サイト『博物館の博物館』のサーバ移築・整備に向けた過去データ解析・データ整理と再構築を行うとともに、来年度より動画コンテンツの試験配信を行うことをふまえ、博物館スタッフ・専門家とのコンテンツデザイン等に関するミーティングを重ねている(今年2月現在、3館のスタッフより動画コンテンツの製作協力承諾を得ている)。 また「総合的な学習の時間」における通信ネットワーク(インターネット)利用の現状などに関する質問紙調査を、国立小学校児童を対象に行う予定である(3月実施)。
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