2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内タンパク質のバーコードラベル化-タンパク質間相互作用解析を指向して-
Project/Area Number |
03J05592
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 敦司 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | タンパク質ラベル化 / リボソームディスプレイ法 / 天然mRNA / タンパク質の網羅的解析 / サプレッション |
Research Abstract |
今年度は、タンパク質のバーコードラベル化法として、リボソームディスプレイ法を用いることにし、"タンパク質"を"そのタンパク質をコードするmRNA"でラベル化することを試みた。リボソームディスプレイ法とは、リボソームがmRNAを鋳型としてタンパク質を合成する段階において、これら3者複合体(リボソーム・mRNA・タンパク質)を安定化させ、mRNA上にタンパク質をディスプレイさせる方法であるが、従来のリボソームディスプレイ法では、天然のmRNAに改変を加えなければならず、細胞内の全タンパク質について網羅的に解析することは困難であった。そこで、私は未修飾の天然mRNAを鋳型とする場合においても利用できる新しいリボソームディスプレイ法を開発した。 私が開発したこの新リボソームディスプレイ法では、終止コドンをサプレッションする方法を用いたため、天然mRNA中に存在する終止コドンを除去することなく、タンパク質をmRNA上にディスプレイさせることができた。さらには、終止コドン以降の非翻訳領域をスペーサーとして利用することによって、全長のタンパク質をディスプレイすることが可能となった。また、再構築系のタンパク質翻訳システムを使うことにより、従来法よりもはるかに高効率なリボソームディスプレイを実現した。以上の結果は、この新リボソームディスプレイ法が細胞内の全タンパク質を網羅的に解析する世界初の方法としての可能性を秘めていることを示唆している。(Nature Chemical Biology, submitted)
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