2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05869
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関根 康介 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 葉緑体 / 核様体 / 亜硫酸還元酵素 / DNA結合タンパク質 / エンドウ |
Research Abstract |
色素体DNAは多くのタンパク質と核様体と呼ばれる複合体を形成するが,その主要タンパク質の一つとして亜硫酸還元酵素(SiR)が同定されている。しかしこれまでSiRは葉緑体の可溶性画分に酵素活性があることからストロマに局在すると考えられてきた。本研究の目的はSiRのDNA結合能と酵素としての機能の関係を解明することである。昨年度までに,エンドウSiRcDNAの塩基配列を決定し,それをもとに作成した組換えタンパク質にDNA結合能があることを確認した。平成16年度は,SiRのDNA結合能を詳細に解析するために、決定したエンドウSiRのcDNA塩基配列をもとに大量の組換えタンパク質の作成を試みた。SiRはフェレドキシンと親和性があるため,フェレドキシン-アフィニティクロマトグラフィにより精製を行った。すでにトウモロコシ等のSiRについては確立された精製法であるが,エンドウSiRでは精製過程での挙動が異なり,収率も非常に低かった。わずかに得られた組換えエンドウSiRについて吸光分光分析を行ったところ,SiRが持つ補欠分子族固有のスペクトルが得られた。また,ストロマと核様体のそれぞれに局在するSiRについて分子構造の観点から比較した。質量分析法を行ったところ,両者で分子量が異なるという結果が得られたが,葉緑体全体について分析を行ったところ,異なる分子量のSiRは検出されなかった。したがって両者の分子量の違いは試料調整の操作中に生じた可能性があり,今後更なる検討が必要である。
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Research Products
(2 results)