2005 Fiscal Year Annual Research Report
長周期表面波散乱現象の解明と不均質構造における波形エンベロープ形成モデルの構築
Project/Area Number |
03J07346
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 拓人 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地球内部構造 / 地震波 / 散乱 / エンベロープ |
Research Abstract |
弾性波伝播媒体としての固体地球の構造の解明は,地震学的にも,また地球の発展史を考える上でも重要な研究課題である.特に広帯域地震波形の解析からは,地殻から上部マントルに渡る広い範囲の地震波速度不均質構造を検出できると期待されている.そこで,本年度は,長周期からやや短周期の不均質に伴う地震波の擾乱の全容解明を目指し,以下の研究を行った. 1.地球を周回する長周期レイリー波のアレイ解析に基づく散乱特性の推定: IRISならびにF-netによって記録された大地震の地震波形記録にF-K解析を適用し,エンベロープを構成する波群の構成要素を明らかにした.該当する観測波形に余震群あるいは他の地震の影響が混在していないことを定量的に示し,レイリー波散乱波と高次モード波群がエンベロープ形状に寄与していることを明らかにした.本成果はPure and Applied Geophysics誌にて印刷中である. 2.半無限ランダム不均質構造中におけるエンベロープモデルの構築: 半無限媒質中に重畳している不均質構造における地震波散乱現象を波動論的に取り扱い,地表面の存在により必然的に存在するレイリー波を含む地震波散乱過程を導出した.さらに一様ランダムな自己相関関数で特徴づけられる不均質構造中における散乱波のエネルギーを重ね合わせることで,ダブルカップル型地震震源から輻射された地震波の地表観測点における散乱波2乗振幅エンベロープを理論的に合成することに成功した.数値計算の結果,理論的に期待されるエンベロープの構成要素は強い周波数依存性を持ち,特に浅い地震に対する低周波エンベロープ振幅にはレイリー波の散乱波の寄与が無視できないことが明らかになった.本成果は日本地震学会2005年秋季大会・東京大学地震研究所特定共同研究B研究成果発表会およびIASPEI General Assemblyにて発表した.
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Research Products
(1 results)