2003 Fiscal Year Annual Research Report
カントの「超越論的論理学」と批判の論理の関係について
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03J09690
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 忠 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超越論的論理学 / 一般論理学 / カントとドイツ観念論 / 『純粋理性批判』 / 理性の自己批判 / 認識と対象 / 18世紀ドイツ学校哲学 / 認識の真理論 |
Research Abstract |
カントの『純粋理性批判』における「超越論的論理学」を理性の自己批判、自己吟味のための論理学として読み解き、哲学における認識・思惟批判の構造を再検討することが、研究の目的である。 上記の目的のため、『純粋理性批判』やカントのその他の著作、及び、カントと同時代の思想家の著作を参考にいれ、文献学的研究を行ってきた。とりわけ、カントに多大な影響を与えたマイヤーの『理性論綱要』の翻訳作業を、目下、行っている。 これまでの研究業績は以下の通り。 まず、『純粋理性批判』において重要な役割を担っている判断表とカテゴリーが、カントと同時代の学校哲学の論理学、形而上学の伝統の中から生まれ、さらにそれらが新たにア・プリオリという性質をもつ論理的機能として、カントによって新たに定位させられた点を究明した。この際、カテゴリーの形而上学的演繹に関わる諸問題に対しても一定の見解を与えた。 次に、カント哲学の解釈においてキーワードとなる「超越論的」と「超越的」の区別を、カテゴリーの超越論的使用と超越的判断を解明することによって明確化した。この解明によりカントが自らの超越論的哲学へ当時の学校哲学を埋め込んでいる状況が理解できた。 さらに、カント哲学を基礎とするドイツ観念論、とりわけシェリング哲学における認識と自然、自我と対象の一致という真理論についての解明を行い、知的直観に関わる問題点を析出した。 尚、情報倫理学に関する書評も行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤本 忠: "超越的判断とは何か-カントによる学校哲学批判の視点-"上智大学哲学会 哲学論集. 第32号. 49-64 (2003)
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[Publications] 藤本 忠: "カント哲学における認識論的構造の思想史的究明-判断表とカテゴリー-"北海道大学大学院 文学研究科 研究論集. 第3号. 1-20 (2003)
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[Publications] 藤本 忠: "『情報倫理学の構築』(新世社・2003年)の書評"北海道大学文学研究科 倫理学講座 科学技術研究. 1号. 65-69 (2003)
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[Publications] 藤本 忠: "カテゴリーの超越論的使用とは何か"日本カント協会編 日本カント研究-カント哲学と科学- 理想社. 4号. 73-88 (2003)
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[Publications] 藤本 忠: "シェリング哲学における真理論-精神と自然の一致をめぐる問い-"日本シェリング協会編 シェリング年報 晃洋書房. 11号. 82-93 (2003)