2004 Fiscal Year Annual Research Report
非共有結合の導入による環境応答型ナノマテリアルの開発
Project/Area Number |
03J10526
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝下 倫大 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-PD
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Keywords | 単分子膜 / ラングミュア-ブロジェット法 / 両親媒性分子 / 非共有結合 / 自己組織化 / 液晶 / 電気光学特性 / 自己集合 |
Research Abstract |
光・電子機能性が期待できるπ共役部位を有する界面活性剤の2次元分子組織化膜を作製した。本研究ではπ共役部位を膜の最表面に集積するために、新しい分子デザインに基づいた新規双頭型界面活性剤を合成し、気-水界面を利用するラングミュア-ブロジェット法により単分子膜を作製した。その結果、膜の最表面にπ共役コアが集積した単分子膜構造が水面上および親水性基板上で形成されていることが吸収スペクトル測定および顕微鏡観察から明らかとなり、今回行った分子デザインの妥当性を示した。さらに、これら単分子膜とアニオン性ポリマーとの複合化にも成功し、幅広い応用の可能性についても示した。 低分子化合物の繊維状集合体である自己組織性ファイバーを液晶に導入して新しい刺激応答性液晶複合体を作製し、その機能・特性について以下の3つの報告を行った。(1)液晶と自己組織性ファイバーの単純な組合せを用いて、熱刺激と電場刺激によって繰り返しの書き込み・消去が可能なメモリー性表示材料を開発した(Adv.Mater.,2005,17,692)。(2)ディスプレイ素子として実用性の高いSTN液晶セルに液晶/自己組織性ファイバー複合系を導入し、その応答・表示特性について検討した。その結果、ファイバーの導入によって、特に電場オン状態からオフ状態への高速スイッチングが達成できることがわかった(Liq.Cryst.,2004,31,1649)。(3)光照射によってファイバーの形成・解離を制御できる低分子化合物を液晶に導入することで、複合構造の光パターニングを行った。パターン構造の形成が棒状液晶のみならず円盤状液晶を用いた複合系にも応用できることを見出した(Polym.J.,2004,36,661; Proc.SPIE-Int.Soc.Opt.Eng.,2004,5518,160)。
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Research Products
(6 results)