2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノで探る超新星爆発、超高エネルギー天体現象とニュートリノ振動
Project/Area Number |
03J11573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 真一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超新星ニュートリノ / ガンマ線バースト / 暗黒物質 |
Research Abstract |
1.超新星ニュートリノ:過去の超新星から放出されたニュートリノが,現在背景放射を形成していると考えられるが,これらsupernova relic neutrinos(SRN)の検出が近い将来見込まれている.そこで,SRNの将来観測から,宇宙の星形成率の進化モデルについてどの程度制限を与えられるかという議論を行った(Ando 2004a).この研究は,従来考えられてきた紫外領域などに代表される光による銀河の観測と相補的な役割を果たしうることを示したという点で画期的であった.また,SRNに関するレビュー論文を執筆し,IoP (Institute of Physics)Selectに選ばれるなど高い評価を得ている(Ando & Sato 2004).加えて,銀河中心で超新星爆発が起こった場合,ニュートリノの崩壊などによって期待されるシグナルの変化,特に中性子化バースト信号の検出可能性についても論じた(Ando 2004c). 2.ガンマ線バースト:これらの天体のうち,バーストの継続時間が2秒以下のものについては,起源が明らかになっていない.今回,中性子星連星の衝突とこれらの間の相関を仮定し,統計的は議論を行った(Ando 2004b).その結果,現在見積もられている形成率やジェットの開き角などで無矛盾に説明できることを示した.ガンマ線バーストからの高エネルギーシグナルについても研究を行った.着目したのは,GRB残光からのTeV光子と赤外領域光子との相互作用であるが,これらは一切不定性を与えないことを示した(Ando 2004d). 3.暗黒物質:暗黒物質対消滅によるガンマ線が,宇宙背景ガンマ線の主構成要素となりうることが指摘されてきた.しかしながら,これらの可能性は銀河中心からの観測に矛盾してしまうため,完全に排除できることを示すことに成功した(Ando 2005).
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Research Products
(6 results)