2004 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾因子SUMOによる細胞系譜制御機構の解明
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03J50831
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内村 康寛 熊本大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SUMO / 翻訳後修飾 / エピジェネティクス / クロマチンリモデリング / ヘテロクロマチン / 細胞記憶 / 細胞系譜 / ユビキチン |
Research Abstract |
翻訳後修飾因子SUMO(small ubiquitin-like modifier)は、ユビキチンフォールドを有する約100アミノ酸のタンパク質であり、標的タンパク質にイソペプチド結合することで、標的タンパク質の局在性の制御、生体高分子複合体形成の制御を行っており、特に細胞核内においては核ドメインの構造・機能調節に深く関与している。ユビキチンを認識するUBA(Ubiquitin associating)やUIM(Ubiquitin interacting motif)タンパク質群のアナロジーから、SUMO修飾の機能はSUMO化を認識して結合する因子がSUMO修飾による機能変換に重要な役割を持つと考えられるが、SUMO化を認識するタンパク質についての詳細は明らかでない。我々は、高等動物に特異的なSUMO-2修飾がどのようにしてタンパク質の機能変換やシグナル伝達を行うのかを明らかにしたいと考え、SUMO-2特異的な結合因子の検索を行った。 まず我々は、SUMO-2をベイトとした酵母Two-hybrid screeningを行い、SUMO-2と相互作用するタンパク質(SUMO two interacting protein : STIP)の検索を行った。同定されたSTIPとSUMO(特にSUMO-2)修飾との関わりを生化学的・細胞生物学的に解析した。 STIP-1とSTIP-2は転写抑制やクロマチンリモデリングに関わるタンパク質として知られており、2者は哺乳類細胞内で強固なヘテロ複合体を形成することで協調的に機能していると考えられる。STIP-1はSUMO化の基質となることで、自身の活性制御、STIP-2との相互作用様式の制御、新たな相互作用面の創出を行っている可能性が示された。STIP-2はSUMO(特にSUMO-2)と相互作用することでSTIP-1との相互作用様式の制御、SUMO化されたクロマチンタンパク質を介したクロマチンへの取り込みが行われている可能性が示された。STIP-2にはUBAやUIM様等のドメインが検出できないことから、新規かつ独自のSUMO結合面を有すると推定できた。現在、STIP-1/STIP-2複合体のSUMO-2修飾による活性制御と転写抑制やクロマチンリモデリングとの関わりについて解析中である。
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