2003 Fiscal Year Annual Research Report
Crohn病およびインフルエンザ脳症の発症に関わる遺伝的要因の相関解析
Project/Area Number |
03J52211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 慶子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クローン病 / インフルエンザ脳症 / SNP / 遺伝学 |
Research Abstract |
Crohn病は主に小腸や大腸に縦走潰瘍や非乾酪性類上皮細胞肉芽腫などの特徴的な病変を呈する原因不明の炎症性腸疾患である。またインフルエンザ脳炎・脳症は、乳幼児を中心に急速な進行と高い致命率、発症後の重篤な後遺症を特徴とする原因不明の疾患であり、治療法の確立が強く望まれる疾患である。CDは強い相関が報告されている遺伝子が日本人患者において相関がないこと、またインフルエンザ脳症は日本人においてその発症が有意に高いものの未だ原因不明であることから、日本人患者の原因解明が必要であると考えられる。 Crohn病についてSNP (single nucleotide polymorphism)を用いたwhole-genome相関解析(case-control study)を行い、2004年3月現在screening対象である72,738SNPsについてタイピングが終了している。解析の結果、484名の日本人Crohn病患者と752名のコントロールに対し、最終的に22SNPsがP<1×10^4を示した。 相関を示した22SNPs中4SNPsが約100kbの領域に集中して分布していたため、前述領域を中心に約460kbの領域についてSNP discoveryおよびtypingを行い、疾患関連遺伝子を同定した。本研究内容は日本人類遺伝学会 第48回大会にて発表ずみである。現在、同定された疾患関連遺伝子がCrohn病の病態にどのような影響を与えるのか、調べている。
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