2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J52491
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
秋 みん京 富山医科薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | がん転移 / TNF-α / TAK1 / stress signaling pathway / 遊走 / JNK / p38 |
Research Abstract |
がん転移機構において、炎症性サイトカインTNF-αが重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。我々は結腸がんcolon 26細胞をin vitroにてTNF-α刺激することにより、浸潤、遊走および肺転移能が誘導されることを報告してきた。今回は、これらTNF-α誘導性の転移能におけるストレス応答シグナルの果たす役割について検討した。まず、colon 26細胞をTNF-α刺激することによってMAP kinase JNKとp38の活性化を確認した。JNK阻害剤SP600125およびp38阻害剤SB203580はTNF-α誘導性の遊走と転移能を抑制した。そこで、TNF-αやIL-1やLPSなどによって活性化されAP-1とNF-κBの転写因子を活性化するMAP3Kであるtransforming growth factor-β-activated kinase 1 (TAK1)に注目し、colon 26細胞の転移能に及ぼす影響を検討した。まず、TNF-α刺激により細胞内で内在性TAK1が活性化されることを見いだした。Colon 26細胞にTAK1とTAK1 binding protein 1 (TAB1)を過剰発現させると、JNK、p38、AP-1が活性化され、さらに遊走と肺転移の増加が認められた。また、siRNAを用いてTAK1の発現をノックダヴンした結果、TNF-α誘導性の遊走と肺転移能が抑制された。以上の結果から、TNF-αによるcolon 26細胞の転移能の増加には,TAK1を介するストレス応答シグナルが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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