2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J53221
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村上 誠 早稲田大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 投資顧問業者 / 議決権行使 / 投資家 / 株主 |
Research Abstract |
アメリカ・ドイツにおける企業・資本市場法制を研究課題として掲げ、具体的には、アメリカ証券取引委員会(U.S.Securties and Exchange Commission)が2003年に制定した、議決権行使情報の開示を投資顧問業者に義務づける規則(Release No.33-8188,Release No. IA-2106)の研究を、日本学術振興会特別研究員としての平成15年度から平成16年度にかけての研究期間(平成15年10月1日から平成17年3月31日まで)の中で行いました。 有効な経営監督システムのひとつとして、また機関投資家(投資顧問業者)の受託者責任のひとつとして、機関投資家による議決権行使を位置づける動きは多くの先進国において一般的となっていますが、その実効性をさらに一歩推し進めるものとしてアメリカ証券取引委員会は投資顧問業者に議決権行使情報の開示を義務づけています。具体的には、「FORM N-PX」というアメリカ証券取引委員会への提出書類により実際の議決権行使についてその内容が詳細に開示されます。日本においても、厚生年金基金連合会が「株主議決権行使に関する実務ガイドライン」や株主議決権行使基準」を策定するなど、機関投資家の議決権行使を重要視する傾向が年々強まっているものの、アメリカのように実際の議決権行使についてその内容の開示を義務づける制度はなく、機関投資家(投資顧問業者)による適切な議決権行使を制度として担保する仕組みを欠いていると言うことができます。研究成果としての論文では、日本にもアメリカ同様の制度を導入すべきとの論旨のもとに、アメリカ証券取引委員会に実際に提出され開示されているFORM N-PXを参考に現在執筆中です(「アメリカにおける投資顧問業者の議決権行使情報の開示について(仮題)」)。
|