Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
C M Maddwna ペラデニア大学, 地理学科, 教授
中川 清隆 上越教育大学, 学校教育部, 助教授 (70115252)
枝川 尚資 朝日大学, 教養部, 教授 (20027270)
青木 正敏 北海道大学, 農学部, 助教授 (60081569)
嶋田 純 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80206169)
田瀬 則雄 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (40133011)
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Research Abstract |
湿潤熱帯における水循環と地表面(土地利用と植生)の相互作用を明らかにするため,スリランカのウエットゾーンとドライゾーンにおいて基礎資料の収集と現地観測調査(1992年7〜8月と1993年1月)を行った. 本年は,基礎資料として,降水量,気温,日照時間などの気象データ,河川流量,蒸発量,地下水位などの水文データ,地形・地質データ,地図類,文献の収集をベラデニヤ大学の協力により行った. 現地観測調査は,ウエットゾーンとドライゾーンにおいてそれぞれ一流域(ケラニガンガとカラオヤ)を選定し,河川水,地下水,湖沼(潅漑用ため池)水の水質(水温,電気伝導度,pH)を測定するとともに,一般水質および同位体分析のための試料を採水した(夏季調査時に110点,冬季調査時に60点).また,セイロン島を南西から北東へ横断する断面においても同様な調査を行った.一般水質の分析結果からはウエットゾーンとドライゾーンで顕著な差異が示せたが,ドライゾーンにおける水質の濃縮プロセスと水循環の関係については,同位体分析と合わせて検討中である.トリチウムの分析はコロンボ大学との共同研究として行うこととなった.また,いくつかの異なる植生面での蒸発散量の現地測定を行った. 継続的定期観測のため,安定同位体分析用の降雨採水器を10地点,日射計を11地点,土壌水分変動測点を2カ所,さらに冬季調査以降は地下水の水位および水質の測点を19地点設けた.夏季からの約半年については冬季調査時に回収し,現在分析解析中である. また,次年度以降,より大きなスケールでの水循環と地表面との相互作用を調査する予定であるインドデカン高原については,予備調査と共同研究を予定しているインド国立水文学研究所との打ち合わせを行った.
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