1993 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全問題と日本,米国,カナダ間における木材貿易構造の計量的解明
Project/Area Number |
04041083
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 教授 (30174832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 敦 オレゴン州立大学, 林学部, 客員助教授
FLORA Donald 国立太平洋北西部林業研究所, 経営部, エコノミスト
HAYNES Richa 国立太平洋北西部林業研究所, 経営部, 部長
GARCIA John. ワシントン大学, CINTRSFOR, 助教授
KOOTEN Casey ブリティシュコロンビア大学, 林業部, 助教授
福田 晋 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40183925)
芝 克己 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20144339)
甲斐 重貴 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30041057)
永田 信 東京大学, 農学部, 助教授 (20164436)
加藤 隆 森林総合研究所, 林業経営部経済分析研究室, 室長
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Keywords | 木材資源 / 環境問題 / 製品輸出 / SPF製材品 / ニュージーランド材 / OSB / 逆代替関係 |
Research Abstract |
1.無限にあるといわれたカナダの木材資源も伐採箇所が次第に奥地化し、環境問題を考慮すると、最近は過伐気味といわれ、B.C.州の年間許容伐採量は現状よりも3割ほど減るだろうと言われている。カナダからの輸出は基本的に製品輸出に限られるが、日本向け最終製品生産を目指した最新のJAS製材工場新設にみられるように、より付加価値を高めた製品輸出増加が期待されている。 さらに、米ツガ、米マツのみならず内陸部のSPF製材品あるいは合板等に代わって、現在利用価値が少なく、環境破壊の心配もないといわれるアスペンを原料とするOSB増設が図られており、同製品の対日輸出増加の動きがうかがえる。 2.現在、ニュージーランド材の対日輸出量は200万m^3と顕著な増加を見せ、さらに5年後にはその倍以上の対日輸出が見込まれている。合板、OSB等二次加工分野で北米材に代替しうる可能性は十分にあるが、資源的にみてすべて北米材に代替することはない。しかし、日本で最大のスギ並材産地である宮崎の丸太生産量が100万m^3に満たないことを考慮すると、ニュージーランド材の今後の動向は無視できない。 3.日本における北米材と国産材の代替関係を各地域の状況を反映したクロスセクションデータを用いた需要関数によって分析すると、北米材の価格の上昇により、従来のような一方的な北米材の代替ではなく、スギ材による逆代替関係が生じてきていることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 行武潔,福田晋,甲斐重貴,加藤隆,永田信: "日米加木材貿易における輸送問題の考察(1)-研究の枠組みと日米輸送コストの実態-" 日本林学会論文集. 第104号. 79-80 (1993)
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[Publications] 行武潔,福田晋,甲斐重貴,門隆二,加藤隆,永田信: "ワシントン,オレゴン州における自然保護運動の木材生産,供給,輸出とわが国の木材市場に及ぼす影響" 日本林学会論文集. 第104号. 81-82 (1993)
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[Publications] 加藤隆,行武潔,永田信: "アメリカ南部のパイン林の資源構成の変化とその影響" 日本林学会論文集. 第104号. 73-76 (1993)
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[Publications] 甲斐重貴: "アメリカ合衆国における森林資源・木材供給予測モデル" 日本林学会論文集. 第104号. 77-78 (1993)
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[Publications] 行武潔,福田晋,西海貴憲: "国産材,米材製材品の代替関係の計量分析" 第105回日本林学会発表予定.
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[Publications] 芝正己,行武潔,福田晋,永田信,加藤隆,吉本敦: "北米西海岸を中心とした伐出生産活動と環境保全の現状" 第105回日本林学会. (発表予定).