1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04041091
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々波 楊子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30051288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 成三 中国亜州太平洋地区経済研究所, 副所長
菊池 純一 青山学院女子短期大学, 助教授 (80195205)
浦田 秀次郎 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (10185085)
吉岡 完治 慶應義塾大学, 産業研究所, 教授 (80051887)
黒田 昌裕 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (50051636)
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Keywords | 華南経済圏 / 旺盛な内需と成長 / 相互依存性 |
Research Abstract |
北京・天津及び華南経済圏(広東,深〓,香港)の経済特区における経済活動がいかなる地域波及効果をもつかについて現地調査を行った。また月1回の研究集会で現地調査の折に収集した,企業関連資料,諸統計,新聞雑誌切り抜きを整理して検討した。 現地調査について (9月及び2月) 9月13日に北京の国家計画委員会特区辨を訪れて中国経済のマクロ的動向とそのなかでの経済特区の現状について説明をうれた。マクロ経済的には高度成長によるインフレ懸念はあるものの,需要は堅調であるとのことであった。旺盛す内需は天津市街のデパートを訪れた折にも確認された。その後,華南地区に移動し,広東省広州市において外資導入と珠江デルタの開発を調査した。広東省への投資は,香港及び香港経由の台湾資本によって8割以上が占められ,委託加工形熊で現地の安価な労働力を活用するものが大半である。蔡対外経済貿易発展研究所副所長は日本からの投資誘致を期待していること,珠江上流に次第に被投資地域が広がりをみせていることが述べられた。深〓では香港を含む華南経済圏と他の地域との投資及び交易を通じての相互依存性について深〓貿易発展局からの説明をうけた。次いで日系,非日系の計4社の企業を訪問し,生産の現状等について聞きとり調査を行った。2月の調査では更に日系製造業子会社5社の現地調査を行い資料の収集いも努めた。これらの現地調査を通じて明らかになったのは次の諸点である。華南での生産拡大は外資に負うところが大きい。なかでも香港は台湾からの投資の中継地及び物流の拠点として,経済開発の波及に際してのいわば「かなめ」の役割をなくている。また深〓は香港のこれらの機能を代替するというよりか,補完的な役割を果しつつある。今後の深〓は開発戦略の中心拠点となることが予想される。
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Research Products
(25 results)
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[Publications] 佐々波 楊子: "ガットの地域的貿易取り決め" 公正取引. 2月号. 11-16 (1993)
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[Publications] Yoko Sazanami: "Determinants of Japanese Foreign Direct Investment" Revue Economique. Vol43. 661-670 (1992)
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[Publications] Yoko Sazanami: "“Globalization"Strategy of Japanese Manufacturing Firms and its Impact on Trade Flows" Europ-Japan:Concurrents ou Partenaires. 2月. 99-117 (1992)
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[Publications] 黒田 昌裕 (香西泰・寺西重郎編): "戦後インフレ期における物価・物資統制" 戦後日本の経済改革-市場と政府. 31-60 (1993)
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[Publications] Masahiro Kuroda: "Economic Growth and Structural Change in Japan:1960-1985" Keio Economic Observatory Discussion Paper. (1992)
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[Publications] 黒田 昌裕・新保 一成: "CO_2排出量安定化と経済成長" Keio Economic Observatory Occasional Paper. J.NO.27. 1-34 (1992)
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[Publications] 吉岡完治 外岡寛 早見均 池田明由 菅幹雄: "環境分折用産業連関表の作成" Keio Occasional Paper. J.N.26. (1992)
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[Publications] 吉岡完治 早見均 池谷明由: "環境分折のための産業連関表-その作成過程と意義-" イノベーション& I-Oテクニーク. 2(3). 14-24 (1991)
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[Publications] 吉岡完治 早見均 池谷明由 菅幹雄: "環境分折用産業連関表の応用-生産活動に伴うCO_2排出量とその要因-" イノベーション& I-Oテクニーク. 3(4). 31-41 (1992)
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[Publications] 吉岡完治 早見均 池谷明由 菅幹雄: "環境分折用産業連関表の応用(2)-環境家計簿作成のためのCO_2排出点数表-" イノベーション& I-Oテクニーク. 4(1). 37-57 (1993)
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[Publications] 浦田 秀次郎(小浜裕久編): "日本の直接投資とアジアの貿易" 直接投資と工業化(日本貿易振興会). 4月. 43-62 (1992)
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[Publications] 浦田 秀次郎(柳原透編): "直接投資" アジア太平陽の経済発展と地域協力(アジア経済研究所). 3月. (1992)
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[Publications] 浦田 秀次郎: "一般均衡モデルの実証分折への応用:CGEモデルの発展過程と現状" 三田経済雑誌. 82巻2号. 213-238 (1990)
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[Publications] Shujiro Urata: "The Mechanism of Economic Growth in Pacific Asia" Waseda Journal of Asian Studies. Vol,14. 28-45 (1992)
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[Publications] 菊地 純一: "技術と経済社会の接点" E S P. 240. 13-17 (1992)
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[Publications] 菊地 純一: "技術自足力のコンソリデーション" 高度技術社会ニュース. 23. 9-13 (1992)
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[Publications] 菊地 純一: "生活大国へのブレークスルー" トリガー. Vol,12NO1. 4-32 (1993)
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[Publications] 馬 成三: "中国のガット復帰とそのインパクト" 貿易と関税. 4期. (1993)
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[Publications] 馬 成三: "北東アジア経済協力に対する中国の姿勢" ジェトロセンサー. 7期. 46-48 (1992)
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[Publications] 馬 成三: "着実い進められれている中国経済の市場化" 中国経済. 3期. 10-25 (1992)
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[Publications] 佐々波楊子・黒田昌裕・吉岡完治: "中国工業製品貿易拡大の可能性-供給隘路についての現地調査報告-" Keio Economic Observatory Occasional Paper. J,NO5. 1-19 (1988)
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[Publications] 浦田 秀次郎・大畑 弥七(共編著): "アセアンの経済・日本の役割" 有斐閣, 248 (1992)
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[Publications] 佐々波 楊子・浦田 秀次郎(共著): "サービス貿易-理論・現状・課題" 東洋経済新報社, 203 (1990)
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[Publications] Junichi Kikuchi,Masahiko Shimizu,Takayuki Kiji,Tadashi Kitagawa: "The Growth of the Optoelectronic Industry" Optoelectronic Industry and Technology Development Association, 50 (1992)
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[Publications] 馬 成三: "発展する中国の対外開放" アジア経済研究所, 209 (1992)