Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
B.S.シンガル シンガル ボンベイ病院, 神経科, 教授
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 講師 (20159510)
石田 貴文 東京大学, 理学部, 助手 (20184533)
石川 晃一 山梨県衛生公害, 研究所, 研究員
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
|
Research Abstract |
本年度現地調査をガーナ,ガボン,ケニア,オマーン,シンガポール,オーストラリアの8ヶ国で行った。またサンプル調査をモンゴル,韓国,中国,インドネシアの4ヶ国で行った。これらの調査から次のような大きな成果が得られた。まずHIVに関しては,ケニア,ガーナ,ガボンの3ヶ国でエイズの疑われる患者(計112例)の血清学的検索を行い,また分離した白血球からウイルス分離を行い,現在遺伝子解析が行われている。またケニアではアフリカミドリザル12匹,サイクスザル26匹,チンパンジー6匹より採血し,SIVとSTLV-Iのウイルスを分離し,現在このウイルスの遺伝子解析を行っている。HTLVに関しても,ガーナ,ガボン,ケニア,インドで分離白血球が得られ,これらも現在遺伝子解析が行われ,一部完了した。 ATLに関しては,インドで3例のATL様患者が本調査を通じて発見され,ATLの確定した1例の家族の白血球よりウイスル分離が行われている。またオーストラリアの原住民から2例のATLが集計された。HAM/TSPに関しては,インドで3例発見され,このうち2例の分離白血球より遺伝子解析が完了し,プロトタイプATKと98〜99%のホモロジーを有することが明らかとなった。また,韓国で1例のHAM/TSPが見いだされ,鹿児島大学で治療を行うと同時に家族を含め分離白血球より遺伝子解析が進行中である。オマーン,インドネシア,モンゴル,中国に関しては,これまでのところHTLVは陰性であるが,今後陽性例が出てくる可能性も少なくないため,現在抗HTLV-Iキットを現地に送って検索が継続されている。なお,これまで明らかになったウイルス遺伝子のデータをもとにウイルスの系統樹の検討もさらに充実したものとなった。
|