1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (60092368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丁 林かい 中国科学院, 高能物理研究所, 教授
任 敬儒 中国科学院, 高能物理研究所, 教授
梶野 文義 甲南大学, 理学部, 助教授 (50204392)
杉本 久彦 湘南工科大学, 助教授 (00121070)
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90167536)
笠原 克昌 神奈川大学, 工学部, 助教授 (00013425)
水谷 興平 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60008844)
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 助手 (60157039)
太田 周 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30008023)
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Keywords | チベット / 羊八井 / 空気シャワー観測装置 / 惑星間磁場 / 太陽磁場 / ガンマー線 / 宇宙線の起源 / かに星雲 |
Research Abstract |
中国と共同でチベットの羊八井(標高4、300m)に空気シャワー装置を設置し、白鳥座X-3等宇宙天体からの高エネルギー・ガンマー線の探索実験を行っている。高エネルギー宇宙線の起源・加速の問題を研究するのが主な目的である。この装置は65chのシンチレーション検出器からなり、シャワー粒子の到来時間及び粒子数の大きさを高精度で測定できる。システムはマイコンで制御し、データは容量2GBの8mmビデオテープに記録・保存している。データは90年6月から約20Hzの高頻度で取得されている。最頻値のシャワーのエネルギーは約10TeVで、シャワーの到来方向は1度以上の精度で決めることが出来る。 92年1月までのデータを解析を行い、宇宙線の月及び太陽による遮蔽効果、かに星雲、白鳥座X-3等点源からの高エネルギーガンマー線の探索を行った。月の影は5.8σの有意さで観測され、これから装置の角度分解能は0.87度であることが判明した。太陽の影は太陽の位置から西南西に約0.9度ずれて観測された。このずれは太陽、地球間の磁場の影響によるものと考えられている。太陽の影がこれら磁場の影響でずれて観測される可能性は1957年にクラークにより予測されていたが、実験的に観測されたのはこの実験が世界最初である。93年度から5か年計画で装置を約4倍に拡張する予定であるが、これが完成すると太陽の影の移動を太陽活動の時間変化と関連ずけて観測できるため、太陽磁場及び惑星間磁場について新たな情報が得られるものと期待される。 宇宙点源からのガンマー線はまだ有意に観測されていない。かに星雲、白鳥座X-3等いくつかの点源について10TeVでのフラックスの上限値が得られた。この領域でのデータは世界で初めであり、非常に厳しい上限値となっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M. AMENOMORI et al.: "Search for steady emission of 10-TeV gamma rays from the Crab nebula, Cygnus X-3, and Hercules X-1 using the Tibet air shower array" Physical Review Letters. 69. 2468-2471 (1992)
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[Publications] M. AMENOMORI et al.: "Cosmic-ray deficit from the directions of the Moon and the Sun detected with the Tibet air shower array" Physical Review D. 47. X1-X7 (1993)
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[Publications] To. SAITO et al: "Intensity of protons at the ¨knee¨ energy of primary cosmic rays" Astroparticle Physics. 2. XX1-X13 (1993)
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[Publications] M. AMENOMORI et al.: "Recent status of the Tibet AS-G experiment" AIP Conference Proceedings. (1993)
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[Publications] M. AMENOMORI et al.: "Recent results of the Tibet AS-G experiment" AIP Conference Proceedings. (1992)