1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (60092368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 文義 甲南大学, 理学部, 助教授 (50204392)
任 敬儒 中国科学院, 高能物理研究所, 教授
杉本 久彦 湘南工科大学, 教養課程物理, 助教授 (00121070)
丁 林〓 中国科学院, 高能物理研究所, 教授
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90167536)
白井 達也 神奈川大学, 工学部, 助教授 (20102238)
笠原 克昌 神奈川大学, 工学部, 助教授 (00013425)
斉藤 敏治 都立航空高等専門学校, 講師 (40259833)
水谷 興平 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60008844)
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 助手 (60157039)
太田 周 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30008023)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手
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Keywords | チベット / 羊八井 / ガンマー線 / 惑星間磁場 / 太陽の影 / 空気シャワー / 宇宙天体 / かに星雲 |
Research Abstract |
中国と共同でチベットの羊八井高原(標高4300m)に空気シャワー観測装置を設置し、宇宙天体からの10TeV領域のガンマー線の観測を行っている。空気シャワー観測装置は65台のシンチレーション検出器を15m間隔の碁盤目状に配置したものであり、総面積約10^4m^2である。実験は90年6月から本格的に開始し、すでに10^<10>個以上の空気シャワー現象を検出している。このデータの解析により、月、太陽による宇宙線の遮蔽効果(影)を検出し、装置の角度分解能が1度以下であることが分かった。特に、太陽の影は太陽の方向から約0.8度西南西の方向にずれて観測された。これは太陽及び惑星間磁場の影響によるものであり、これによる影のずれの観測は世界で初めてであり、非常に注目をあびている。今まで観測が困難であった太陽活動と惑星間磁場の関係について新しいデータが得られるものと期待されている。 点源からのガンマー線探索については、かに星雲、白鳥座x-3等の銀河系内天体、及び最近米国のガンマー線天文衛星で観測された銀河系外天体からの10TeV領域のガンマー線について詳しく調べた。現在のところ、いずれの天体からも信号は検出されていない。これら天体についてのフラックスの上限値が求められた。これらの値は、他の実験グループのものに比べて最も厳しい値となっている。 来年度の装置の拡張の準備は順調に進行している。検出器の数は全体で220個となり、有効面積は現在の装置の約8倍になる。トリガー頻度は約200ヘルツあり、装置の死時間は5%以下になる。来年の春には完全な運転状態に入る予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Search for steady emission of 10-TeV gamma rays from the Crab Nebula,Cygnus X-3 and Hercules X-1 using the Tibet air shower array" Physical Review Letters. 69. 2468-2472 (1992)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Cosmic ray deficits from the directions of the Moon and the Sun detected with the Tibet air shower array" Physical Review D. 47. 2675-2681 (1993)
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[Publications] To.Saito et al.: "Intensity of protons at the “knee" of the cosmic ray spectrum" Astroparticle Physics. 1. 257-267 (1993)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Direct evidence of the interplanetray magnetic field effect on the cosmic ray shadow by the sun" The Astrophysical Journal. 415. L147-L150 (1993)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Search for 10 TeV gamma-ray emission from active galactic nuclei observed with the Tibet air shower array" The Astrophysical Journal. 429 (in press). (1994)
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[Publications] 西沢 正己、湯田 利典: "ずれて見える“太陽の影"" パリティ10月号. 8. 55-60 (1993)