1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044047
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARTY Jean L ペルピニアン大学, 教授
COMTAT Mauri ポールサバチエ大学, 教授
COULET Pierl リヨン大学, 教授
横山 憲二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80242121)
民谷 栄一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60179893)
|
Keywords | バイオセンサー / 環境計測 / 医療計測 / メディエーター / 農薬センサー / ルシフェラーゼ / 光ファイバー / ブルー銅タンパク質 |
Research Abstract |
生体のもつ分子識別機能に着目して作製されたバイオセンサーは医療分析、工業プロセス計測、環境計測などにきわめて有力な分析システムである。近年、研究代表者らのグループは半導体加工技術などを用いて、バイオセンサーの微小化及び大量生産化に成功しており、各種バイオセンサーの実用化を強力に推進することができる見通しを得ている。本研究課題では医療用バイオセンサー、環境計測用バイオセンサーなどの研究の盛んなフランスの研究グループと共同研究を遂行し、各種バイオセンサーの開発及びそれらの実用化を図る。具体的には以下に示すように研究調査及び共同研究を遂行した。 以下の示すように研究分担者および研究協力者の派遣を行った。 (1)民谷栄一、三林浩二、リヨン大学P.Coulet教授に派遣(平成4年10月)ルシフェラーゼ発光型光ファイバーバイオセンサーの基礎検討を行った。 (2)軽部征夫、萩野谷隆一、ペルピニアン大学J.L.Marty教授に派遣(平成4年11月)微小電極を用いた農薬センサーの構築のための基礎を行った。 (3)横山憲二、村上祐二、ポールサバチエ大学M.Comtat教授に派遣(平成4年12月)微小電極を用いてメディエータ型バイオセンサーの基礎検討を行った。 (4)松川律子、ペルピニアン大学J.L.Marty教授に派遣(平成5年2、3月)農薬センサー用の新しい酵素の生産とバイオセンサーの構築のための基礎検討を行った。 医療用バイオセンサーについては微小で、かつ感度の良いバイオセンサーを開発することが望まれており、このためにリヨン大学のP.Coulet教授との共同により、光ファイバーを利用した発光型バイオセンサーの開発にとりかかった。これにより直径1ミリの微小な光バイオセンサーを作製するための基礎データが得られた。環境計測用バイオセンサーについては、農薬を測定する酸素センサーを作製した。特に日本側の優れた微小電極をこれに導入し、農薬センサーを微小化するための基礎データを得た。メディエータ型バイオセンサーについては、つぎのような結果を得た。ブルー銅タンパクは亜硝酸還元酵素の反応と電極反応をメディエートする。このタンパクを用いるとメディエーター型バイオセンサーを作製の可能であるが、人工的なメディエーターを合成し、この機能を実現することによって、より付加価値の高いメディエーターを得ることもできると考えられる。その合成の基礎的な実験として銅アミノ酸錯体を合成し、種々の水素イオン濃度における電気化学的な行動を調べた。その方法として白金網または光透過性電極であるITO電極(Indium Tin Oxide Electrode)を用いて薄膜電極を作製しサイクリックボルタンメトリーを行うと同時に吸光度の測定を行った。錯体のアミノ酸にはブルー銅タンパク中で銅と直接配位しているヒスチジンやシステインを用いた。単分子のアミノ酸では錯体形成の自由度が大きいため銅の電子状態に対する寄与が少ないと考えられる。今後重合したリジッドなアミノ酸を配位させ研究を行う必要があることが示唆された。 以上、極めて新規な高性能バイオセンサーを開発するための各種基礎データを得ることができた。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Soo Mi Lee M.SUZUKI,M.KUMAGAI H.IKEDA, E.TAMIYA,I.KARUBE: "Bioluminescence Petection System of Mufageu Using Firefly Laciferase Genes Infroduced in E.coli lyageuu stram" Anal。chem.64. 1755-1759 (1992)
-
[Publications] Soo Mi Lee,K.Sode,K。NAKANISHI,J-LMarty E.TAMIYA,I.KARUBE: "A Novel Microbial Sensor Using Luminous Bacteria" Bioseusors and Bioelectrouics. 7. 273-277 (1992)
-
[Publications] E,TAMIYA,Y.SUGIURA,T.TAKEUCHI,M.SUZUKI,I.KARUBE: "Ultra-micro Glutaniat Sensor Using Platinized Carbon-fiber Electrode and Integrated Couwter Electrode" Seusors and Actuators. B10. 179-184 (1993)
-
[Publications] Soo Mi Lee,M.SUZUKI,E.TAMIYA,I.KARUBE: "Seusitive Bioluminescent Petection of Pesticides Utilizing a Mcabrane Mutant of E.coli and Recombinaut DNA Teclndogy" Anal Chim Acta. 257. 183-188 (1992)
-
[Publications] C-Ychen,E.TAMIYA,K.ISHIHARA,Y.KOSUGI,Y-csa,N.NAKABAYASHI,I.KARUBE: "A Biocompatible Needle-Type Glucose Sensor Based on Platinum Electro" Appl Biochem.Biotech.36. 211-226 (1992)
-
[Publications] K.YOKOYAMA,Soo Mi Lee E.TAMIYA,I.KARUBE,K.NAKAGIMA,: "Mediatel Glucose Sensor Using a cylindrical Microeiectrode" Anal.Chim.Acta. 263. 101-110 (1992)
-
[Publications] 軽部 征夫: "絵でわかるバイオテクノロジー" 日本実業出版, 203 (1992)
-
[Publications] 軽部 征夫ら: "はなやかなバイオ技術" 森北出版, 186 (1992)