1992 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の熱物性・生物機能と立体構造の動的性質の相関関係
Project/Area Number |
04044068
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大島 泰郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60167301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (80133768)
田中 信夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50032024)
勝部 幸輝 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20032013)
PETER Zavods ハンガリー科学アカデミー, 生物化学研究所, 教授
GREGORY Pets ブランダイス大学(アメリカ), 化学科, 教授
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Keywords | Thermophile / Protein Stability / Protein Engineering / X-ray Crystallography / Higher Structure |
Research Abstract |
タンパク質の熱物性と構造の相関関係を解明することを最終的な目標として、熱に安定な高度好熱菌の酵素タンパク質とそれに相同な常温菌酵素タンパク質を詳細に比較検討するため、日本側は高度好熱菌のイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの結晶試料を調製しアメリカ側に送付した。日米双方で温度因子の測定を行った。ことに日本側は安定性を異にする変異タンパク質を作成し、それらの温度因子も測定した。これに基づき、熱安定性変化の分子論的な解釈を行った。例えば、高度好熱菌と枯草菌の間のキメラ酵素2T2M6Tでは、温度因子の違いはあまり大きくないが、揺らぎの大きい部位に安定化変異を導入すると分子全体の安定性が改善されることなどの示唆を得た。日本側はタンパク質工学手法を用いて作成した各種の変異酵素タンパク質のリストを示し、共同研究者の要望に対応して高度に精製した変異タンパク質を提出した。 常温菌の酵素との比較研究を拡大するために日米双方が大腸菌のイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の発現を改善、それを利用した酵素の大量調製法の開発に務め、成果を持ちよって7月中旬から約一ヶ月、東工大において合同実験を行った。共同で精製法を確定し、酵素の諸性質を調ベ終えた。触媒性質の多くは他の細菌類由来のイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼとあまり変わらない。大腸菌酵素はアミノ酸配列が他の細菌類由来の同酵素のものと相同性が低いが、円二色性スペクトルからは二次構造含量にもかなりの隔たりがあることが推定された。このためX線による構造解析が早急に必要である。結晶化は現在もなお双方において改良中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kentaro MIYAZAKI, Hidetaka EGUCHI, Akihiko YAMAGISHI, Takayoshi WAKAGI, and Tairo OSHIMA: "Molecular cloning of the isocitrate dehydrogenase gene of an exteme thermophile, Thermus thermophilus HB8;" Appl. Environ. Microbiol.58. 93-98 (1992)
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[Publications] Masahiro SAKURAI,Ko ONEDERA,Hideki MORIYAMA,Osamu MATSUMOTO,Nobuo TANAKA,Koichi NUMATA,Katsumi IMADA,Mamoru SATO,Yukiteru KATSUBE,and Tairo OSHIMA: "Crystallization and preliminary X-ray studies of a Bacillus subtilis and Thermus thermophilus HB8 chimeric 3-isopropylmalate dehydrogenase and thermostable mutants of it" J. Biochem.112. 173-174 (1992)
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[Publications] Takayoshi WAKAGI, Choon-Ho LEE, and Tairo OSHIMA: "An extremely stable inorganic pyrophospahtase purified from the cytosol of a thermoacidophilic archaebacterium,Sulfolobus acidocaldarius strain 7" Biochim. Biophys. Acta. 1120. 289-296 (1992)
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[Publications] 桐野 裕美、山岸明彦、 大島泰郎: "酵素の耐熱化設計" 蛋白質核酸酵素臨時増刊「蛋白質工学の進展、蛋白質の設計をめざして」. 37. 335-345 (1992)
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[Publications] Gerlind Wallon et al.,: "Properties and thermal stability of E.coli isopropylmalate dehydrogenase"