1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
O C Bensaude エコールノルマール高等研究所, 主任研究員
W J Welch カリフォルニア大学, サンフランシスコ校, 助教授
R I Morimoto ノースウエスタン大学, 助教授
平芳 一法 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (80199108)
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Keywords | ストレス蛋白質 / コラーゲン / 分子シャペロン / 小胞体 |
Research Abstract |
コラーゲンに結合性をもち、細胞の癌化によって減少するが、逆に胎児性癌細胞(F9)の分化とともに顕著に発現誘導を受けるストレス蛋白質HSP47の機能について研究した。HSP47は、コラーゲンと特異的に結合することから、「蛋白質合成初期過程におけるストレス蛋白質の役割」を考察する上で、良いモデルを提供するものと考えられる。 in vivoクロスリンク法に、特異抗体による免疫沈降法およびパルスラベル・チェイス法などを組合わせた方法によって、HSP47の細胞内の機能として次のような点が明らかになった。ポリソームで合成されたプロコラーゲンは、小胞体へ入るとすぐにHSP47に結合する。HSP47は、プロコラーゲンが3本鎖構造をとり、ヒドロキシレーションやグリコシレーションなどのプロセシングを受ける過程を助けているものと思われる。プロコラーゲンがゴルジ体を通って分泌する前に、HSP47は解離し、そのC末端に存在するRDEL配列によって、小胞体へと戻される。このように、HSP47は、小胞体とゴルジ間をシャトルのように往復しながら、コラーゲンの3本鎖形成、プロセシング、分泌などを助ける、いわゆる分子シャペロンとして機能しているものと思われる。 コラーゲンの3本鎖形成を阻害した場合、ブレフェルディンなどの試薬によって、小胞体からゴルジへの輸送を阻害した場合などは、HSP47はコラーゲン分子から解離せず、異常コラーゲンの分泌を抑えているものと考えることができる。これも従来から言われてきた分子シャペロンの機能の一つである。これまでのストレス蛋白質と異なり、HSP47は基質特異性をもった最初の分子シャペロンである。
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[Publications] N.NAKAMURA,K.NAGATA他2名: "Purification and characherization of a vimentin-specific protease in mouse myeloid leukemia cells." European Journal of Biochemistry. 205. 947-954 (1992)
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[Publications] H.TAKECHI,K.NAGATA他4名: "Molecular cloning of a mouse 47-kOaheat shock protcm(HSP47),a Collagen-binding stress protein." European Journal of Biochemistry. 206. 323-329 (1992)
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[Publications] A.NAKAI,K.NAGATA他2名: "Involvemenit of the stress protein HSP47 in procollcgen prdcessing in the endoplasmic reticulum." Journal of Cell Biology. 117. 903-914 (1992)
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[Publications] N.HOSOKAWA K.NAGATA他5名: "Inhibition of the activation of heat shock factor in vivo and in vitro by flavonoids" Moleular and Cellular Biology. 12. 3490-3498 (1992)
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[Publications] M.YAMAGUCHI K.NAGATA他4名: "Down-regulation of interleukin 6 receptors of mouse myelomonocytic leukemic cells by leukemia inhibitorg factor." Journal of Biological Chemistry. 267. 22035-22042 (1992)
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[Publications] N.KIOKA,K.NAGATA他4名: "Quercetin,a bioflavonoid,inhibits the increase of human multidrug resistauce geue(MOR1)expression causcd by arsenite." FEBS Letters. 117. 307-309 (1992)