1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044101
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
武内 紹人 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (10171612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAW Graham 英国大英図書館, 東洋部, 副館長
熊本 裕 東京大学, 文学部, 助教授 (80107523)
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Keywords | チベット語 / 中央アジア / トルキスタン / 木簡 / スタイン / Old Tibetan / ミーラーン / コータン |
Research Abstract |
日本での調査準備(4月-7月)をふまえて8月-9月にロンドンでおこなった調査作業は、つぎの4項目にまとめられる。1)4年前の予備調査で武内が見いだし、大英図書館に修復を依頼していた文書群の点検整理。2)スタインコレクション中に存在することが記録にあるにもかかわらず所在不明であった文書の発見。3)コータン語など他言語の文書群にまぎれこんでいるチベット文献の発見。4)本研究(カタログ作成)の対象となるすべての文書の網羅的なリスト(provisional list)の作成。 いずれの項目も作業は予想以上に難航したが、そのぶん当初の期待をこえる成果を得ることができた。とくに2)と3)の作業の結果、200点にのぼる未報告の古チベット語文書がみつかった。その中には契約文書など歴史学・言語学資料として重要なものも含まれる。また、そのなかにトルファン盆地遺跡出土のチベット文書の存在が確認できたのも中央アジア文献学にとっておおきな意味を持っている。 項目1)の文書群については、解読作業用のスライドを作成することができた。帰国後(10月以降)、それらを順次焼き付け、項目4)のリストと照合しつつ、分類する作業をすすめている。項目2),3)の文書については、大英図書館に修復作業とマイクロフィルム作成を依頼。10月から平成5年8月(日本側研究者の訪英以前に完了)をめどに作業をすすめる予定である。項目4)でのべたリストは、暫定的な分類リスト(A Provisional List of the OldTibetan Manuscripts from East Turkestan in the Stein Collection)として12月に完成。本研究の最終目的であるカタログが完成するまで、大英図書館のリファレンス室に設置されることになった。
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