1992 Fiscal Year Annual Research Report
トランジェニックマウスを用いたSrcファミリーキナーゼの生性制機構の解析
Project/Area Number |
04044113
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 八郎 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (20029937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDRE Veille マッギル大学, 助教授
JONATHAN A C フレッドハッチンソン癌研究所
ROGER M Perl ワシントン大学, 教授
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
相沢 慎一 理化学研究所, 副主任研究員 (60073011)
奥村 宣明 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (20224173)
岡田 雅人 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (10177058)
永井 克也 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (70029966)
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Keywords | CSK / src / tyrosine kinasc / phoshorylation |
Research Abstract |
細胞内情報伝達機構の構成要素であるsrc familyチロシンキナーゼの生体内での機能の追求にはその活性制御機構の解明が必須であり、またその活性制御機構を人為的に操作することで、src familyそのものの機能を探索することも可能になると考えられる。我々は以前よりsrc familyの活性制御機構に関与する分子として、細胞質型チロシンキナーゼ、CSKがin vitroでsrc familyを燐酸化し、その活性を制御する機能を持つことを生化学的実験にて証明してきた。そこで、免疫系及び神経系でのCSKによるsrc family kinaseの活性制御系の意義を明らかにすることを目的として、免疫系あるいは神経系でのCSKを過剰に発現するトランスジェニックマウスの作製を試みた。トランスジェニックベクターとしてはCSKのcDNAの上流をT細胞特異的に発現するp56^<1ck>のプロモーターを連結したもの、あるいはcsk遺伝子のプロモーターを用いたものを構築した。これらベクターをマウス受精卵にマイクロインジェクションし、産仔を得た。それらマウスでのトランスジーンの存在を尾より抽出したDNAを用いて調べたところ、その中にトランスジェニックマウスの存在することを確認した。しかしながら、lckプロモーターを用いた場合、トランスジーンからのCSKの発現は認められなかった。また、cskプロモーターを用いたものでもアミノ末端側の欠失したCSKが発現していた。現在これらの点を克服するために新たな構造を持つトランスジェニックベクターを構築し、それらを用いたトランスジェニックマウスの作製を進行中である。
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[Publications] H. Sabe et al.: "Molekular cloning and expression of chicken C-terminal Src kinase: Lack of stable association with c-Src protein" Prc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.89. 2190-2194 (1992)
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[Publications] H. Sabe et al.: "Activation of c-src in cells bearing v-crk and its suppression by CSK" Molecular and Cellular Biology. 12. 4706-4713 (1992)