1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044136
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OLIVER Smith ノースカロライナ大学, 医学部, 教授
DAVOR Solter マックスプランク免疫生物学研究所, 部門長
丹羽 仁史 熊本大学, 医学部, 助手 (80253730)
鈴木 操 熊本大学, 医学部, 助教授 (60253720)
阿部 訓也 熊本大学, 医学部, 助教授 (40240915)
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Keywords | 標的組換え / 遺伝病 / 発生 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本研究は標的組換え技術を利用して、遺伝子機能の解析、ヒト疾患モデルマウスの作製、未知の発生関連遺伝子の単離解析を行うものである.標的遺伝子組換え技術は、既知遺伝子への相同遺伝子組換え、いわゆるジーンターゲティングのみならず未知遺伝子に対する遺伝子タギング法である遺伝子トラップ法にも適用される.これらの方法は多分化能を有する胚幹細胞(embryonic stem cell:ES cell)へ遺伝子導入を行い、得られた組換えES細胞をマウス初期胚に注入してキメラ胚を作製するという分子生物学、発生工学の技術を利用する.現在までこれら一連の技術を修得し、遺伝子トラップ法により未知遺伝子の単離に成功しており、また相同遺伝子組換えを起こしたES細胞も多数得ている.キメラ胚作製には従来、胚盤胞への注入法で行っていたが、最近より効率の良い8細胞胚との凝集法が開発された.これは、ES細胞浮遊液中に8細胞胚を混合し、培養してキメラ胚を得るもので、時間的にも手技的にも大幅な簡略化が期待される.今回、調査計画の一環としてこの方法に詳しいDavor Solter博士を訪問し、有用な情報を得ることができた.また予備実験として、ES細胞がマウス胚に取り込まれていくことも確認した.相同遺伝子組換えに関しては、単なる遺伝子破壊のみならず点突然変異の導入や遺伝子の完全置換がさらなる改良点としてあげられる.Oliver Smithies博士を招へいし、この点に関して情報交換をした際、FLT-FRT,Cre-loxなどの特異性の高いリコンビナーゼの系を併用し、一旦相同組換えを起こした後に、薬剤耐性遺伝子など不要部分を脱落させる方法が有効との示唆を得た.現在、それぞれのリコンビナーゼを導入したトランスジェニックマウスを作製中である.
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Research Products
(1 results)