1994 Fiscal Year Final Research Report Summary
大学における専門教育研究 -教育大学とリベラルアーツカレッジにおける比較-
Project/Area Number |
04045014
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
丸山 雅雄 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40004410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEATHERFORD ジャック エム. マカレスター大学, 準教授
WOLSEY Wayne マカレスター大学, 教授
RUDQUIST Jer マカレスター大学, 教授
SCHWARTZ A.T マカレスター大学, 教授
KURTHーSCHAI ルザンヌ マカレスター大学, 助教授
LANEGRAN Dav マカレスター大学, 教授
EGGE Karl A. マカレスター大学, 教授
FOLINA Janet マカレスター大学, 助教授
DAVIDOW Amy マカレスター大学, 助教授
森岡 正臣 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (10174400)
板垣 信哉 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (80193407)
里見 まり子 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (10187263)
本間 明信 宮城教育大学, 教育学部付属授業分析センター, 助教授 (70106748)
渡辺 徹 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (80113885)
武元 英夫 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004408)
森 洋介 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004375)
松山 恒明 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004581)
小野 四平 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20006399)
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Project Period (FY) |
1992 – 1994
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Keywords | リベラルアーツ / 専門 / 専門教育 |
Research Abstract |
本年度本共同研究の最終年度に当たり、全体の活動は昨年度の方式を踏襲すると共に、3年間のまてめと次の共同研究を展望して行った。本学から5名、マカレスター大学から2名の研究代表者、研究分担者、研究協力者が相互に相手大学に赴き、各自専門教育研究の成果に基づく講義を行い、また本研究の目的であるアメリカにおけるリベラルアーツカレッジの歴史的経過に関して研究討議、関係専門教員、職員との懇談、視察、見学、調査などを行った。各自の主要な報告テーマは、Constituents of Genus Carpesium Plants with some Chemotaxonomic Cohsiderations(丸山)、Nocturnal Cooling near the Mountainous Districts(森洋介)、About the Structures of KANJI-Chinese and Japanese Characters(松本宙)、ORIGAMI,Movement-Theater with Newspaper(里見まり子)、Social Interaction in the Primary Classroom(石黒広昭)、Entrepreneurship:New Business Success and Failure(Carl Egge)、Poincare of Mathematics,Intuition and Foundations of Science(Janet Folina)である。 派遣研究者はリベラルアーツカレッジにおける、各研究者の専門分野に関する教育について詳細な調査研究を行い、帰国後研究分担者会議で報告した。また、本学とマカレスター大学は20年を越える、国費留学生を含む学生の交流の歴史がある。丸山と松本は長年にわたって本学の留学生委員会に関わってきた経験をもとに、マカレスター大学において関係の教員及び国際センターの所長と、今後の留学生交流に関して詳細な打ち合わせをすることができた。 招聘研究者であるEgge、Folina両教授の来学に際しては共同研究者全員の協議を行い、主にリベラルアーツ教育を両名の専門分野を中心にして詳細な報告、討議がなされた。その中で、それぞれの受けた学部教育を含めてアメリカに特徴的なリベラルアーツ教育の紹介があり、本学のような多様な専門の教育をする教育大学においてそれがどのように取り入れられるかということが話しあわれた。リベラルアーツ教育は多くの学問に共通の教育であり、理論の応用力をつけるのが目的である。質問に正しく答えようとするのでは無く、どのようにして答に到達するのかを学ぶものである。そのためには質問を分析し、仮説を立て、与えられたデータを分析する力を養うことが大事である。要するに何をするかではなく、如何にするかを学ぶのである。等のことが紹介された。特に現在一般教育と専門教育の統合が諮られている時期に、本学の教育改革に参考となる点が多いと思われる。 マカレスター大学の学生は専攻(major)に関わりなく入学し、学年が進むにつれて自分の専攻する分野を選ぶことになる。専攻を考えるのが2年次で、3年次でそれが固まってくる。学生によっては専攻を2ないし3持つ学生もある。これがリベラルアーツ教育の一つの特徴である。したがって学生の専門志向は一つの学部、学科に所属する日本の学生と違って非常に幅が広い。卒業後は80%の学生が大学院、医学部、法学部等の上級教育機関へ進む。大学院において学部段階から一つの専門教育を中心に教育を受けてきた学生と比べると、初めは専門分野の力が遅れているが、半年から1年経つと若い時に幅広く柔軟な教育を受けてきたのが役立ち、後で伸びる学生が多いとの評価がある。また、年間の授業形態、学生の授業聴講のしかたも日本の学生とは非常に異なる。1年は9〜12月の秋学期、1月の中間学期、2〜5月の春学期に別れており、学生は秋、春学期にはそれぞれ4科目、中間学期には1科目を聴講できる。1つの講義は週に60分ずつ3回あり、15週続くので、全講義時間にすると日本における講義単位4の授業に相当する。従って授業は半集中的に進められるので、その4か月は学生は4つの授業内容のみ集中的に考えることになる。日本の学生のように週に15〜20の授業を受けるものとは大きな違いがある。 これらの研究成果、討議の結果は、本共同研究の最終年度である今年企画している最終報告書にまとめる計画である。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] Masao Maruyama, et al.: "Ineupatorolides from Carpesium glossophyllum" Planta Medica. 61(in press). (1995)
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[Publications] Yosuke Mori, et al.: "Source of the Magnetoshere Disturbances" Proc. 27th ISAS Lunar and Planetary Symposium. 71-74 (1994)
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[Publications] 松山恒明: "高齢者とスポーツ活動" 宮城教育大学保健体育論集. 1(印刷中). (1995)
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[Publications] 武元英夫、他: "Approximately inner positive linear maps of finite von Neumann algebras" (発表予定).
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[Publications] 渡辺 徹: "精神遅滞者の歯科疾患について" 宮城教育大学紀要. 29(投稿中). (1995)
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[Publications] 渡辺 徹: "障害児教育実習における事前・事後指導のあり方について" 障害児治療教育研究室紀要. 10. (1995)
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[Publications] 渡辺 徹、他: "看護学校生徒の視覚・聴覚障害について" 宮城教育大学紀要. 28. 149-159 (1994)
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[Publications] 板垣信哉、他: "A Psycholinguistic Analysis of Word Guessing Using Close Procedures" Annual Review of English Langugage Education in Japan. 5. 11-20 (1994)
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[Publications] Nobuya Itagaki: "Pragmatic and Coguitive Constraints on Subject Solution in Japanese: The Speaker's Point of View and the Spoken and Written Modes" Journal of Psycholinguistic Research. 5. 249-266 (1994)
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[Publications] 石黒広昭: "参加による自己の社会的生成" 宮城教育大学教育心理学研究. 3(印刷中). (1995)
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[Publications] 石黒広昭: "学校という場、授業という場" 授業研究21. 32. 83-87 (1994)
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[Publications] 新田秀樹: "パブリックアートは誰のものか?" パブリックアートの実験. 37-44 (1994)
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[Publications] 新田秀樹: "パブリックアート研究のフレーム" 宮城教育大学紀要. 29(印刷中). (1994)
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[Publications] 里見まり子: "「のぞみ園」 園生とのダンスパフォーマンス" 宮城教育大学保健体育論集. 5. 57-65 (1995)
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[Publications] 本間明信: "授業雰囲気の記述" 宮城教育大学紀要. 29(印刷中). (1994)
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[Publications] 武元英夫、他: "概説数理統計" 共立出版, 123 (1994)
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[Publications] Nobuya Itagaki, et al.: "The Representation and Coding of Ordered Events: Empirical Studies in English and Japanese" Liber Press, 97 (1994)
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[Publications] 石黒広昭: "AIと社会" 同文館(印刷中), (1995)
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[Publications] 石黒広昭、他: "現代心理学理論辞典" 朝倉書店(印刷中), (1995)
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[Publications] 石黒広昭、他: "実践のエスノグラフィー" 福村書店(印刷中), (1995)
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[Publications] 本間明信: "斉藤喜博の仕事と夢" 明治図書, 159 (1994)