1993 Fiscal Year Annual Research Report
日中共同研究:大腸腺腫症の疫学、分子遺伝学的および臨床学的研究
Project/Area Number |
04045020
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三島 好雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00010158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 建新 北京医科大学, 医学部, 教授
田 竟生 北京医科大学, 医学部, 教授
李 通 北京医科大学, 医学部, 教授
家城 和男 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70242188)
嘉和知 靖之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20234081)
岩間 毅夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (70114741)
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Keywords | 大腸腺腫症 / 大腸癌 / 疫学 / 分子生物学 / ras遺伝子 / APC遺伝子 |
Research Abstract |
日本側の研究成果: 疫学的及び分子生物学的研究において相当の成果が認められた。すなわち1)一般集団と大腸腺腫症(FAP)とを共通の場で考えることができる疫学モデルを提案した(J Epidemiol)。2)FAP若年第1度近親死亡について調査し、4歳までの肝芽腫が有意に高率であることを明らかにした。APC遺伝子変化との関連の検討が課題となった(Cancer)。3)FAPの各種臓器における発癌強度を一般集団と比較して計算した。これにより合理的な癌の予防的治療のための有力な指標を与えることができた(Ann Surg)。4)FAPの腫瘍(デスモイド)発生について、APCの胚細胞系遺伝子変化と体細胞系の遺伝子変化が必要であろう事が明らかになった(Cancer Res)。 中国側との共同研究状況: 1)中国における情報交換によると、日本で開発された回腸肛門吻合術の結果は、医師によって良いものと芳しくないものとがあった。さらに良好な結果を得るためになにが重要かの掘り下げが必要であろう。2)各種遺伝子Probe、Primer、抗体について、中国で必要とし日本で入手可能なものについて、順次供与して共同研究の進行をはかることができた。3)中国におけるFAPまたは遺伝性大腸癌に関する疫学的調査は地域的にもほとんどなされておらず、これから発展させるべき分野と考えられた。 中国側の研究成果: 一部日本より供与された分子生物学的資料などを使用して、大腸癌に関する遺伝子変化についての成果が得られた(Chin J Med及びChin J Oncol)。すなわち大腸の癌化については、Rb遺伝子の変化の関与が示唆されたこと、及び中国の大腸癌におけるras遺伝子P53遺伝子の変化が検討され、ras遺伝子codon21の変化が50%に認められることを明らかにした。さらにpsoralenによる悪性細胞の分化誘導、TGF-αと癌化との関連を検討している。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Iwama T,Mishima Y: "The impact of familial adenomatous polyposis on the tumorigenesis and mortality at the several organs." Annals of Surgery. 217. 101-108 (1993)
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[Publications] Iwama T,et al: "Coexsistence of somatic and germ-line mutation of APC gene in desmoid tumors from patients with FAP." Cancer Research. 53. 5079-82 (1993)
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[Publications] Iwama T,Mishima Y et al.: "Colorectal incidence linking model in familial adenomatous polyposis and the general population." Journal of Epidemiology. 3. 109-115 (1993)
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[Publications] Tien J,et al: "Study on related oncogene in carcinoma of colon." Chinese Journal of Medicine. 73. 484-486 (1993)
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[Publications] Iwama T,Mishima Y: "Motality in young first degree relatives of familial adenomatous polyposis patients." Cancer. (in print). (1994)
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[Publications] Li T,et al: "Rb gene mutation is related to colorectal carcinogenesis." Chinese Journal of Oncology. (in print). (1994)
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[Publications] Kawach Y,Iwama T,Mishima Y: "Recent Development in manegement of Digestive Cancer." Springer-Verlag, 580 (1993)
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[Publications] 岩間毅夫(分担): "今日の治療指針" 医学書院, 687 (1993)
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[Publications] 岩間毅夫(分担): "消化器疾患I 胃・腸" 医歯薬出版, 432 (1993)
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[Publications] 岩間毅夫: "図説「癌」シリーズNo.2(新版)「大腸癌」" メヂカルビュー, 188 (1993)