1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04101003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生越 久靖 京都大学, 工学部, 教授 (90026188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秋弘 長岡工業高等専門学校, 助手 (60179190)
増田 秀樹 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50209441)
青柳 克弘 福島工業高等専門学校, 助教授 (40150940)
林 高史 京都大学, 工学部, 助手 (20222226)
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Keywords | 分子認識 / ポルフィリン / キノン / シクロデキストリン / ヌクレオチド / アミノ酸 / 電子移動反応 |
Research Abstract |
本年度は特に生体関連物質を認識するホスト分子の設計と分子認識を介した機能発現及び動的挙動について以下に示す成果を得た。 1.シクロデキストリン-サンドウィッチ-ポルフィリンをホスト分子とするキノン分子の捕捉及び、ポルフィリンからキノンへの光駆動型電子移動反応を行った。疎水性相互作用を介した分子間電子移動反応モデルとしては初めての報告例である。本科研費で購入した蛍光寿命測定装置を用い電子移動反応速度を詳細に測定し動力学的考察を行った。 2.呼吸代謝系に介在するユビキノン類緑体を捕捉する新しいポルフィリンホスト分子を合成し、適合型分子認識系を構築した。本系の特徴はホスト分子骨格に柔軟性を有する点であり、これまでの一般的な事前構成された剛直ホスト分子とは対照的である。本相互作用系ではゲスト分子の形状にあわせてホスト分子の構造が時間経過とともに変化し、より安定な会合体を形成する動的挙動及び熱力学データの定量的な解析を行った。 3.複数の多点相互作用基を有するロジウム及び亜鉛ポルフィリンの合成を行い、核酸塩基との相互作用の分光学的研究、さらに金属錯体をキャリアーとしたヌクレオチド-リン酸の液膜輸送実験を行った。特にアデノシン(AMP)が他のヌクレオチドに比べ選択的に輸送される知見が得られた。 4.アミノ酸、DOPA等を特異的に認識する新規不斉ポルフィリン亜鉛錯体を合成し、キラルポルフィリンの不斉分割及び不斉分子認識を行い、種々のアミノ酸との詳細な結合様式を検討し、立体制御を伴った高選択的な不斉分子認識系を見い出した。 5.配位子間に生じるCH-π相互作用によって誘導されたコバルト錯体の安定構造をX-ray結晶構造解析の手法を用いて明らかにした。
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "Controlled Electron Transfer between Cyclodextrin Sandwiched Porphyrin and Quinones" J.Am.Chem.Soc.115. 7003-7004 (1993)
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[Publications] Takashi Hayashi: "Dynamic Molecular Recognition in a Multifunctional Porphyrin and a Ubiquinone Analogue" J.Am.Chem.Soc.115. 12210-12211 (1993)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "Nucleotide Recognition in Aqueous Media with Artificial Receptor Based on Porphyrin" Tetrahedron Lett.34. 8285-8288 (1993)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "Selective Transport of Nucleotides Mediated by Functionalized Porphyrin" Supramolecular Chem.3(印刷中). (1994)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "New Chiral Porphyrins-Syntheses and Molecular Recognition" Anger.Chem.105. 774-776 (1993)
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[Publications] Koichiro Jitsukawa: "Induced Assembly of Aromatic Rings Caused by a CH…π Interaction" Chem.Lett.303-306 (1994)