1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトがんへのパピローマウイルスの関与ー疫学的研究を中心に
Project/Area Number |
04151075
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
石橋 正英 愛知県がんセンター, ウイルス部, 部長 (70029776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川名 尚 東大, 医・産婦人科学, 教授 (90010272)
神田 忠仁 予研, 遺伝子解析学, 室長 (60134615)
松倉 俊彦 予研, 腫瘍ウイルス学, 主任研究官 (70100097)
岩本 愛吉 東大, 医・細菌学, 助教授 (10133076)
藤永 恵 札幌医大癌研, 分子生物学, 教授 (10045338)
|
Keywords | ヒトパピローマウイルス / PCR法 / 子宮頚部 / DNA / がん / 抗体 / 疣贅様表皮発育異常症 |
Research Abstract |
できるだけ多種類の性器型HPV(gHPV)のDNAを効率よくPCR法で増幅できるconsensus primerの開発と,増幅したDNAの型別判定法の開発を目指して,E6-E7領域で増幅して制限酵素切断地図で判定する方式,L1 5'末領域で増幅して制限酵素切断地図で判定する方法,及び,L1 3'末領域で増幅して,膜上に固定した標準HPV DNAとのハイブリッド形成率で判定する方式の3方式が班員によって開発されてきた.これらの異なる方式を用いて,同一試料を調べた場合,どれだけ整合性のある判定結果を与えるか,また,その結果は,サザン法の結果と一致するかを共同研究として調べた.すなわち,患者組織などから精製したDNA,計20種類,その内訳はHPVについて多様で,提供者のもとでHPVの型別判定が不能であったものやウイルスDNAが不検出であったものを調査対象とした.予備的な調査結果(詳細は紙面の都合で省略)は,これらの方法に整合性のあることを示唆するものであった. 上とは別に,疣贅様表皮発育異常症要因であるHPV群や皮膚型HPV群の検出に都合の良いCONSENSUS PRIMER対が各々開発された. 昨年度の2クローンのHPV DNAに続き,本年度も新型と判断されるgHPV DNAを子宮頚部異形成病変から分離して,国際分類委員会に照会した.昨年度報告分の2つのクローンについてもE6,E7,L1領域の塩基配列を決定して同上委員会に提出したので,近日中にHPVとしての型番号を受けることとなった. 子宮頚がん例の病変部のHPV DNAの有無、型、臨床及び病理像と血清中抗体との関連を検討した。17例のHPV16 DNA陽性がん患者の中、抗E4抗体が6例、抗E7抗体が5例,検出され、1例では両抗体共陽性であった.HPV16 DNA陽性で抗体も陽性の患者では、リンパ節転移や遠隔転移が,抗体陰性の患者に比べ高頻度に認められ、これらの抗体の有無ががんの転移の指標となる可能性を示した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hiraiwa,A.: "Comparative Study on E6 and E7 genes of some cutaneous and genital papillomaviruses of human origin for their ability to transform 3Yl cells." Virology. 192. 102-111 (1993)
-
[Publications] Iwasawa,A.: "Detection of human papillomavirus deoxyribonucleic acid in penile carcinoma by polymerase chain reaction and in situ hybridization." J.Urol.149. 59-63 (1993)
-
[Publications] Iwamoto,A.: "Short sequence in L1 region of human papillomaviruses correlates with clinical pictures and grouping by cross-hybridization." Jpn.J.Cancer Res.83. 315-319 (1992)
-
[Publications] Matsukura,T.: "Molecular cloning of a novel human papillomavirus(type 60)from a plantar cyst with characteristic pathological changes." Virology. 190. 561-564 (1992)
-
[Publications] Kanda,T.: "Independent association of antibodies against human papillomavirus type 16 E1/E4 and E7 proteins with cervical cancer." Virology. 190. 724-732 (1992)
-
[Publications] Onda,T.: "Association of the antibodies against human papillomavirus 16 E4 and E7 proteins with cervical cancer positive for human papillomavirus DNA." Int.J.Cancer in press.