1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04152005
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
賀佐 伸省 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10142712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
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Keywords | インスリン様増殖因子 / マンノース6リン酸 / 受容体 / 光親和標識 |
Research Abstract |
インスリン様活性を持つ成長ホルモンであるインスリン様増殖因子II(以下IGFII)及びその受容体(IGFII受容体)はヒト血清中に微量存在するが、これらを指標とした癌診断の研究を試みた。IGFII及びその受容体の抗体を用いたELISA法を開発して癌組織(肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、肺癌)及び癌患者血清に於けるこれら蛋白量を測定したところ、IGFII、受容体共に組織では有為に癌で上昇していた(論文投稿中)。しかし、血清では両蛋白ともに本方法では感度以下であり、また受容体を用いたIGFIIの結合阻害法によるIGFIIの定量法でも癌血清における有為性は認められなかった。結合阻害法に用いたIGFIIはそのcDNAをT7RNA-polymerase系に組み込んだ発現ベクターにより、14残基のアミノ酸を含む融合ペプチドとして効率よく、かつ大量に発現させることに成功した。発現IGFIIは天然のものと同等の生理活性を持ち、またその固定化担体は受容体の精製に有効であることを明らかにした(論文投稿中)。一方、IGFII受容体はマンノース6リン酸受容体でもあることから、リン酸化オリゴマンナンを酵母変異株より作製した。従来の方法より更に高感度な方法を用いて微量受容体を測定するため、リン酸化オリゴマンナンの化学修飾物を放射標識して親和標識プローブとし、それを用いて受容体の光親和標識法を開発した(発表予定、印刷中)。本方法は高感度で高い特異性をもつので、本法による診断法の有効性を調べている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyagishima,T.: "Preparation of photoaffinity probe for Man 6P/IGF-II receptor." Biol.Chem.Hoppe-Seyler. (1993)
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[Publications] 賀佐 伸省: "細胞内局在シグナルと疾患ーI-cell病" Biomedica. 7. 27-30 (1992)
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[Publications] 山嵜 敏祐(編集): "タンパク質化学 第2巻 受容体タンパク質I" 廣川書店, 230 (1993)
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[Publications] 日本生化学会編: "新生化学実験講座 第15巻 代謝異常" 東京化学同人, 359 (1992)