1992 Fiscal Year Annual Research Report
ネオカルジノスタチンクロモフォア安定型同族体のエナンチオ制御合成
Project/Area Number |
04152015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高野 誠一 東北大学, 薬学部, 教授 (20004559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 道康 東北大学, 薬学部, 教務職員 (80089789)
畑山 範 東北大学, 薬学部, 助手 (20143000)
菅原 勉 東北大学, 薬学部, 助手 (50006350)
小笠原 國郎 東北大学, 薬学部, 助教授 (60004602)
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Keywords | ネオカルジノスタチンクロモフォア / エナンチオ制御合成 / リパーゼ / アシル化分割 / 脱アシル化分割 / トリシクロ[3.2.2.1.]-デカン / トリシクロ[4.2.2.1.]-ウンデカン / エンジイン |
Research Abstract |
ネオカルジノスタチンの抗腫瘍性活性発現本体であるクロモフォア部2環性エンジイン部のキラルなバックグランドを持つ安定同族体の合成を検討した。これまですでに9員環エンジイン部を含む2環性部の合成が多く試みられていたがこの環系の不安定さのために成功例は少なく,またキラルな背景を持つ例は稀であった。この様な観点からキラルな要素を持ち,コンホーメーションが固定されたトリシクロ環系をエンジインクロモフォアのバックグランドにおくことによって安定化をはかると共にキラリティーにより生理活性の差異を明らかにし得る基質の合成を計画した。 まず,バックグランドとなるトリシクロ環系は入手容易なトリシクロ[3.2.2.1]-デカンならびにトリシクロ[4.2.2.1]-ウンデカン系を持つ2種のアルコール基質を選び,リパーゼを用いる不斉アシル化ならびに不斉脱アシル化分割を検討し,それぞれ光学的に純粋な基質を得ることが出来た。ついで9員環エンジイン部をこれらのキラルな基質に連結させるためにパラジウム触媒を用いるアセチレンとのクロスカップリングな反応を検討した。トリシクロ環系オレフィン上への位置選択的なヨウ素原子の導入法を見出し,これに対して末端アセチレン結合が好収率でクロスカップリングさせることが出来た。現在,閉環条件を見出すことによってネオカルジノスタチンと同一のエンジイン部を持つ9員環を形成させることを検討している。
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[Publications] Seiichi Takano: "Enantiocontrolled Syntheses of the Cuparene Sesquiterpene,(-)-Herbertene,(+)-Cuparenone,(-)-Debromoaplysin,and(-)-Aplysin" Tetrahedron Lett.33. 329-333 (1992)
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[Publications] Seiichi Takano: "A Concise Enantiocontrolled Total Synthesis of(+)-Estrone" Tetrahedron Lett.33. 1909-1910 (1992)
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[Publications] Seiichi Takano: "Enantiodivergent Route to Conduritol C via Lipase Mediated Asymmetrization" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.177-178 (1992)
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[Publications] Seiichi Takano: "Enantiocontrolled Synthesis of Optically Pure 5-Trimethlysilyl-and 5-Tributylstannyl-2-cyclohexenones" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1993)
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[Publications] Seiichi Takano: "Concise Enantiodivergent Synthesis of Eutypoxide B" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1993)
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[Publications] Seiichi Takano: "Enantiodivergent Preparation of Chiral 2,5-Cyclohexadienone Synthons" Synthesis. (1993)