1992 Fiscal Year Annual Research Report
c-mosがん遺伝子産物の機能発現の制御と生物活性の解析
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04152123
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐方 功幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (80142024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 真由美 久留米大学, 分子生命科学研究所, 研究補助員 (10237696)
古野 伸明 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (80219120)
渡辺 信元 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (90221689)
岡崎 賢二 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50211115)
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Keywords | c-mosがん遺伝子 / アフリカツメガエル卵 / NIH3T3 / CSF活性 / がん化 / 細胞周期 / ユビキチン化 / リン酸化 |
Research Abstract |
c-mosキナーゼ(Mos)は、細胞分裂抑制因子(CSF)として、脊椎動物の卵成熟を第2減数分裂中期で止める生理活性を有する。一方、Mosは体細胞で発現するとがんをひきおこす。本年度の研究では、MosのCSF活性の発現制御機構、およびMosのがん化活性と細胞周期・細胞内局在性との関係について調べた。 1.卵成熟および受精におけるMosのCSF活性の制御機構 Mosはツメガエルの卵成熟過程において、代謝的に不安定型から安定型へ、また機能的にも、卵成熟誘起活性からCSF活性へと変換する。40種をこえるMos変異体を用い、Mosの代謝的安定性がMosのN末端の単一のアミノ酸(Pro^2)によって規定されていること(2nd-codon ruleと命名)、CSF活性のためにはPro^2に隣接するSer^3のリン酸化による代謝的安定化が必須であることを示した。また、Mosの代謝が、ユビキチン経路によることをはじめて明らかにし、細胞周期制御におけるユビキチン系の重要性を指摘した。さらに、受精に際するMosの分解がSer3の脱リン酸化を伴うユビキチン経路によることも明らかにした。 2.Mosのがん化活性と細胞周期・細胞内局在性 Mosは生理的(卵成熟)には細胞周期上のG_2→M転移で機能し、がん化の際にどの細胞周期の時期で機能するかが問題となっている。そこで、M→G_1期に特異的な分解を受けるサイクリンとMosのキメラ遺伝子を作製しNIH3T3にトランスフェクトすることにより、Mosが細胞をがん化するときにはG_1期での発現が必須であることを明らかにした。この結果は、原がん遺伝子の生理活性とがん化活性の違いを細胞周期上での発現の違いとしてはじめてとらえたものである。さらに、Mosキナーゼの基質が、細胞質から核に移行する物質(たとえば、転写因子等)であることを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Mayumi Nishizawa: "The 'second-codon rule' and autophosphorylation govern the stability and activity of Mos during the meiotic cell cycle in Xenopus oocytes." The EMBO Journal. 11. 2433-2446 (1992)
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[Publications] Kenji Okazaki: "Differential occurrence of CSF-like activity and transforming activity of Mos during the cell cycle in fibroblasts." The EMBO Journal. 11. 2447-2456 (1992)
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[Publications] 古野 伸明: "卵成熟分裂を制御する細胞質因子ーMPFとMOS" 細胞. 24. 288-293 (1992)
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[Publications] 佐方 功幸: "c-mos産物の発現制御と機能" 実験医学. 10. 1155-1163 (1992)
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[Publications] 佐方 功幸: "mos遺伝子" 蛋白質 核酸 酵素. 37. 1448-1449 (1992)
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[Publications] 佐方 功幸: "卵から親へー生命体の発生ー" クバプロ, 172 (1992)
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[Publications] 佐方 功幸: "新生化学実験講座14 発生・分化・老化" 東京化学同人, 541 (1992)