1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04201132
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 功 九州大学, 工学部, 教授 (10213258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 幹修 熊本大学, 工学部, 講師
後藤 智明 運輸省港湾技術研究所, 室長
富樫 宏由 長崎大学, 工学部, 教授 (20005333)
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Keywords | 津波 / 火山噴火 / 山体崩壊 / 土砂流出 |
Research Abstract |
本研究では、1990年11月の雲仙普賢岳噴火の再開により最も崩壊の危険性が高いとされる眉山のもう一峰七面山が崩壊した場合の津波の発生について調べた。1792年に眉山崩壊が発生した時の想定震度と同じ震度を七面山に作用させたときの山体崩壊検討の結果、その規模は眉山の崩壊規模に比ベかなり小規模となること、さらにその崩壊土砂が島原市を超えて沿岸部に達するまでの流送路離は眉山崩壊の場合に比ベて相当大きくしかも市街地を通過することから、発生津波は相当小さいものと判断された。七面山の山体崩壊を考えるなら、むしろ市街地への災害の方がはるかに深刻であることは言うまでもない。ただしこのような山体崩壊の予測いは多くの不確定要素が含まれているため、土砂崩壊の規模には相当の予測誤差の開きが考えられる。その大きいほうの予測崩壊規模をとった場合は、発生確率は小さいと期待されるとは言え、眉山崩壊クラスの崩壊がないとは言えない事も判明した。そこで津波の水理模型実験では、七面山が1792年の眉山山体崩壊と同じような規模で崩壊・土砂流出したとした場合の有明海全体への津波の伝播遡上についてまず検討した。その結果、七面山の崩壊の場合も、眉山の場合と同様に有明海全体に津波の影響があることが確認された。ただしこれは考えられる最大規模の崩壊を想定したものであり、先に述べた島原市の地形等諸条件を考慮すれば、発生津波の規模は相当に小規模になるものと考えられる。
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