1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04201140
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岩垣 雄一 名城大学, 理工学部, 教授 (90027201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 好一朗 名古屋大学, 工学部, 教授 (10029150)
伊藤 政博 名城大学, 理工学部, 教授 (90076638)
安田 孝志 岐阜大学, 工学部, 教授 (10093329)
喜岡 渉 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10135402)
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Keywords | 伊勢湾台風 / 高潮災害 / 高潮統計 / 高潮シミュレーション / 浪波制御 / 湾水応答 / 潜堤 |
Research Abstract |
この研究は,伊勢湾沿岸の自然環境や外力条件の変遷を踏まえて,伊勢湾台風による高潮災害の歴史的位置付けを行らかにし,統計的手法や数値シミュレーション手法を用いて,高潮災害発生のメカニズムを解析するとともに,環境と調和した対策手法のあり方を検討した.得られた成果は次の通りである.1.名古屋港及び鳥羽港を対象として,験潮記録の確率統計処理を行った.棄却検定の結果,名古屋港では,最高潮位は伊勢湾台風時の資料は棄却できないことがわかったが,棄却しないと最も適合性のよい対数極値分布A型であっても,よく当てはめられないことがわかった.2.高潮による湾水の共振メカニズムには不明の点が多いが,任意形状の港湾に対して適応可能な解析方法を新しく見出すことに成功し,長方形湾に対して具体的に湾水応答を計算するとともに,透過潜堤を2列配置したときの波浪制御法を実験・理論の両面から提案した.3.伊勢湾における台風による高潮特性を明らかにするため,高潮の数値シミュレーションモデルを開発し,その精度を伊勢湾台風及び9019号台風による潮位の実測データとの比較によって検証した.また三重県長島町を対象とした氾濫シミュレーションから堤内地の建物,地勢条件の影響を検討した.4.伊勢湾を共有する愛知県と三重県における高潮災害を調べた結果,過去1200年の間に愛知県は4〜7回,三重県は5回,比較的大規模(死者100人以上)な災害が発生していることがわかった.5.対策工法の一つとして,捨石潜堤をとりあげ,異常時波浪に対する対波安定性を被覆部材の移動限界より検討した.そして,水理実験によって被覆部材の安定重量の算定式を被覆部材の設置位置の関数として提案した.
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[Publications] 岩垣 雄一: "名古屋港と高知港の高潮統計に関する比較研究" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集. II. 1038-1039 (1992)
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[Publications] 喜岡 渉: "潜堤断面形の最適化に関する実験的研究" 平成4年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 277-278 (1993)
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[Publications] 喜岡 渉,岩垣 雄一: "不規則波に伴う2次長周期波の湾水振動" 土木学会論文集. II. (1993)
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[Publications] 安田 孝志: "伊勢湾における高潮に及ぼす海面上昇の影響" 平成4年度土木学会中部支部研究発表会議演概要集. 267-268 (1993)
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[Publications] 伊藤 政博: "愛知県における台風・高潮災害の経緯について" 名古大学理工学部研究報告第33号. (1993)
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[Publications] 岩田 好一朗: "Laboratory Investigation on Stability of Spherical Armor Unit of Submerged Breakwater" Proc.23rd ICCE,ASCE. (1992)