1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04201211
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤井 昭二 富山大学, 教養部, 教授 (30019236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北林 吉弘 富山大学, 教育学部, 教授 (80118611)
桂木 健次 富山大学, 教養部, 教授 (50037115)
対馬 勝年 富山大学, 理学部, 教授 (00002098)
|
Keywords | 災害の進化 / 人間社会の進化 / 自然現象 / 雪害の進化 |
Research Abstract |
表記の題目で1991年のワーキンググループに採択され、1992年科研費をいただいた。災害の進化の仮説を例証するため、都市と地方、南と北とに手分けして事例研究をした。 1.藤井は1991年に続き、(1)木曽三川の三角州地帯の開発に伴う災害の進化、(2)人工都市神戸の1997起こるであろう豪雨災害について、木材の代わりに自動車が河川を閉塞して災害が起こり得ることを述べた。(3)河内平野の水害は積算降水量が少なくなっても被害が増大する一見不思議な現象であるが、このことはこれから開発途上国の都市化でも頻発するであろう。(4)鶴見川流域では市街化面積が80%をこえ、洪水ピークの到達時間は10時間から2時間になった。プール、建築物の地下貯水、運動場、駐車場の貯水にもかかわらずピークの到達時間は2時間より長くならず、東京一極集中による乱開発に任せるのではなく、開発の原則が必要であると論じた。 2.対馬は雪害の進化を研究し、(1)交通問題(2)都市化(3)電線着雪(4)なだれに焦点をあてて、確実に災害が進化していることを明らかにした。 3.桂木は北九州で、都市の発展に伴い、災害がどの様に変わったかを調べ、(1)田圃の住宅地への転化により、遊水地の消失による洪水の発生(2)北九州の丘陵地開発に伴う住宅の危険等を明らかにし、(3)日田の杉の単純林化のための風倒木について論じた。 4.北林は富山新港開発に伴う、(1)後背丘陵を削っての宅地化による土砂流出、(2)匂配4/1000の射水平野に、匂配の直角な北陸線、8号線、8号線バイパスの造成が洪水時に堤防に早変わりする機構について論じた。 5.以上例証したように“災害の進化"の考えは、何処にどのような災害が起きるか、災害の予測と、そのため何をしないといけないかの防災力に極めて有効であることが実証された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 藤井 昭二: "災害の進化" The Proceedings of the First Synposium on Geo-Environments. 1. 337-340 (1991)
-
[Publications] 藤井 昭二: "災害の進化ーその2ー" The Proceedings of the Second Symposium on Geo-Enviroments. 2. 317-320 (1992)
-
[Publications] 藤井 昭二: "災害の進化の事例研究" 第29回自然災害科学総合シンポジウム要旨集. 29. 41-48 (1992)
-
[Publications] FUJII,Shoji: "¨Evolution¨of Disaster" 29th International Geological Congos Abstcts. 1/3. 71 (1992)