1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04202106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
巻出 義紘 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40011746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 祺多夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (90090521)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
犬伏 和之 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00168428)
古賀 隆治 岡山大学, 工学部, 教授 (20027147)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
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Keywords | 地球温暖化 / 温室効果 / 大気中濃度増加 / フロン、 / ハロン、 / ハロカーボン、 / メタン、 / 対流圏オゾン |
Research Abstract |
地球温暖化をもたらす大気中微量温室効果ガスの環境中における動態を明らかにするとともに、人工のガスについては防除を、生物圏に発生源のあるものについては発生要因を解析し、発生制御の可能性を検討する。またこれら微量温室効果ガスによる地球環境への影響評価も行う。平成4年度は、(1)グローバルな大気中および局地的な大気中における微量温室効果ガス[各種ハロカーボン(フロン、ハロン、低級ハロゲン化炭化水素)、メタン、窒素酸化物、対流圏オゾン、硫黄化合物など]の分布および動態の測定(巻出、青木、近藤、秋元、藤原)、(2)メタンの主要な発生源である水田・低湿地などにおけるメタン発生放出機構の解明と支配要因の解析ならびに制御の基礎的検討(古賀、和田、犬伏)(3)ハロカーボン類の大気中への放出を抑制するための除去・回収システムの検討(浦野)、(4)微量ガスの増加による気候への影響評価(松野)などについて重点的に研究し、成果をあげた。(1)ではハロカーボンの高精度分析により対流圏内の特定フロンの北半球での濃度増加傾向が減少していることを見出し、生産消費の国際的規制との関係を調ベた。ハロンについても初めて濃度増加傾向を明らかにした。南極でのメタン濃度連続精密測定の結果から増加傾向が近年大きく変動していることを明らにした。航空機で対流圏オゾンの分布は窒素酸化物に支配されることを示した。地表での観測データの解析からも対流圏オゾンの濃度増加は窒素酸化物によると推定した。(2)では、レーザー法により実際の水田の上でメタン濃度の経時変化を連続測定した。メタン発生放出過程の解析から水田における各種の管理によるメタン放出量制御の可能性を検討した。(3)ではフロンや代替フロンの最善の除去回収装置を提案した。(4)では大気の放射対流平衡モデルにおける微量ガスによる大気の温度構造と水循環・湿度分布の変化を調ベた。
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