1992 Fiscal Year Annual Research Report
耐フッ素性リン酸塩を基盤とするフロン分解用固体超強酸触媒の開発
Project/Area Number |
04202126
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 成一郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00027898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 誠 中部大学, 工学部, 教授 (00097677)
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Keywords | フロン12 / 酸接解分解 / リン酸 / ジルコニア / 耐久性 / 触媒再生 |
Research Abstract |
フロンの接触分解に有効な触媒は酸触媒である。しかし、フロン分解中に生成する無機フッ素のために触媒はきわめて急速に被毒される。したがってフロン分解用酸触媒の開発において留意すべき点は触媒の無機フッ素に対する耐久性である。以前の結果から、リン酸根とジルコニアを組み合せると、リン酸根によるジルコニア表面の保護のため耐久性の良い触媒が得られることがわかっている。本研究では反応条件を緩和するためにオキシ硝酸ジルコニウムから出発し、超強酸性を有するリン酸-ジルコニア触媒を調製してその活性を調べた。調製したリン酸-ジルコニア系触媒は100%硫酸よりも強い酸強度を持つことが認められ、この触媒を用いるとフロン12は300℃という低温で完全分解された。この触媒も反応中に活性の低下が起こったが、触媒の失活はジリコニアと反応生成物である無機フッ素との反応によりフッ化物が生成するためであることがわかった。この表面フッ素をHFとして除去する目的で、水素源として水を添加した。水を添加すると若干の活性の低下が認められた。耐久性について検討を行ったところ、水無添加の場合には反応開始後6時間で失活現象が見られ、25時間後のフロン12転化率は20%以下となった。しかし、水の存在下では反応30時間後でも60%以上のフロン12の転化率が保たれた。反応後の触媒のX線分析でも形態変化はほとんど見られなかった。これらのことからリン酸-ジルコニア複合系のさらなる改良と水添加等の反応条件の選択より実用的なプロセス開発の期待が持たれる。
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Research Products
(1 results)