1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04202134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和也 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026126)
宗宮 功 京都大学, 工学部, 教授 (60025947)
古賀 憲一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00108656)
田渕 俊雄 東京大学, 農学部, 教授 (00011833)
國松 孝男 滋賀県立短期大学, 農業部, 教授 (10074064)
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Keywords | 流域 / 富栄養化 / 有機物 / 水質 / 自然浄化 / モデル化 / 水管理 / 生態系 |
Research Abstract |
1.森林における浄化機能は、枝打ちや下草の育成など一連の森林管理を行うことによって向上する。 2.ダム湖において、湖水の循環による混合水深の有光層以深へ増加と生産層での光制限により藻類増殖抑制が可能となる。 3.水田で田面内を水が均等に流下するように改良し、水温を高く維持することで窒素除去能を強化できる。無植生区、雑草区、水稲区間で窒素除去能の差は認められなかった。 4.河川での薄層流の形成は曝気効果が大きい。従って河川整地改修方法として薄層流浄化水路は有力である。 5.水路網の水質改善には下水道を整備して点源負荷を減少させ、水路内での内部生産を抑制する必要がある。その方策として、水路網内での流量の配分方法を検討し導水量を増加させることが必要である。 6.湖沼への流入栄養塩の負荷は水田の湛水期と降雨期が重なる4月末〜6月にピークとなる。この時期に流入河口部での栄養塩をトラップして沈澱物を除去することで湖内の一次生産抑制を強化できる。 7.脱窒とメタン生成の制御には、酸化還元環境の微妙な調節が重要である。湖水が混合し易く、しかも有機物生産が高い湖は脱窒機能に優れているため、窒素の流入負荷が大きい河川の流入口付近において内湖として利用可能である。 8.湖岸・河岸帯の植物群落は自然景観の形成、水質浄化、水際の侵食防止、資源の供給等、重要な機能を有する。多自然型工法による河川改修の際には植生の特色を考慮して植物を選択する必要がある。 9.感潮域の底泥表層部ではC/N比が高いため、バイオターベーション等により硝酸態窒素を下層へ強制輸送することによりCとNの除去効率を高めることができる。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 國松 孝男,須戸 幹,島田 佳津比古,海老沢 秀夫: "落葉広葉樹二次林からの流出水の水質特性ー朝日の森二次試験流域における水質形成過程ー" 森林文化研究. 13. 81-94 (1993)
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[Publications] 田渕 俊雄: "農業集水域における水質測定の回数と平均値の精度" 農業土木学会論文集. 160. 71-72 (1992)
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[Publications] 田渕 俊雄: "農地、農村と国土環境保全" 農村計画学会誌. 11. 54-59 (1992)
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[Publications] 石野 雅也,田渕 俊雄,山路 永司,中島 敦: "暗渠浸透による水田の水質浄化試験" 農業土木学会論文集. 159. 81-90 (1992)
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[Publications] 権藤 幸彦,遠田 勝美,古賀 憲一,野原 昭雄,渡辺 訓甫,荒木 宏之: "佐賀低平地における水管理" 環境システム研究. 20. 365-371 (1992)
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[Publications] 野田 昭雄,古賀 憲一,荒木 宏之: "佐賀クリーク網のおける水質保全活動と住民意識" 環境システム研究. 20. 372-385 (1992)
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[Publications] Senichi Ebise: "Storm runoff loading of nutrients and pollutants in upper rivers" Japan J.Limnol.52. 241-253 (1991)
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[Publications] 沼部 明博,井上 隆信,海老瀬 潜一: "田園地河川における水稲移植後の農薬流出量の評価" 湖環境学会誌. 15. 662-671 (1992)
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[Publications] 井上 隆信,海老瀬 潜一: "河野における直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)の流出特性" 水環境学会誌. 15. 739-747 (1992)
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[Publications] 海老瀬 潜一: "河川の流出負荷量ポテンシャルモデルと汚濁負荷構造" 水環境学会誌. 15. 887-901 (1992)
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[Publications] 桜井 善雄,越中 直樹,上野 直也: "霞ケ浦におけるヨシ群落崩壊の現状とその原因" 日本陸水学会信越支部会会誌. 18. 44-45 (1992)
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[Publications] 上野 直也,桜井 善雄: "長野県下の河畔におけるヤナギ属のフロラとその立地(第3報)" 日本陸水会信越支部会会誌. 18. 32-33 (1992)
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[Publications] Takita M.,M.Sakomoto: "Methane flux in shallow eutrophic lake" Berh.International Verein.Limmol.25. (1993)
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[Publications] Tetsuya kusuda,Kyoto Oishi: "Enhancement of self-purification functions on water quality in natural environment" DEPRI REPORT,. 15. 661-667 (192)
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[Publications] 二渡 了,楠田 哲也、大石 京子: "強混合河川六角川感潮部における懸濁物質濃度の変動特性" 土木学会論文集. No.452. 71-79 (1992)
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[Publications] 五辺 了,楠田 哲也: "強混合河川感潮部における懸濁物質輸送のシュミレーション" 土木学会論文集. No.452. 61-70 (1992)
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[Publications] Tetsuya Kusuda,Thoru Futawatari: "Simulation of supended sediment transport in tidal river" Water Science and Technology. 26. 1421-1430 (1992)
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[Publications] Naoki Matsuo,Kazuya Inoue,Nobuhisa Nagata: "Prediction of algae blooming and its control by bubble plume in a entrophicated reservoir" Proc,25th International Association for Hydraulics Research. (1993)