1992 Fiscal Year Annual Research Report
ハロカーボン類を安全に分解処理する化学的手法の研究
Project/Area Number |
04202235
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工学芸部, 教授 (50027885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 徹 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30214513)
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30135628)
|
Keywords | 代替フロン / 脱ハロゲン処理 / バーチ還元 / ダイオキシン / ナフタレニド |
Research Abstract |
I.代替フロン物質のHFC(水素化フルオロカーボンやPFC(パーフルオロカーボン)の生産が増加しつつある。しかし、これらの物質もまた潜在的環境破壊物質と考えられている。このため、これらによるオゾン層破壊も含めた環境問題が顕在化する前に、これらを無害化する処理技術を確立することが必要である。そこで還元的脱ハロゲン化法を用いたHFC、PFCの完全脱ハロゲン化処理を検討した。モデル化合物としてパーフルオロデカリン(PFD)を取り上げ、Birch還元法による脱フッ素化処理を行った。HCFC(水素化クロロフルオロカーボン)のBirch還元では先ず炭素-塩素結合が関裂して隣接する炭素-フッ素結合を活性化し、脱ハロゲン化が進行すると考えられている。しかし、炭素-塩素結合を有しないPFDにおいてもBirch還元により炭素-フッ素結合の開裂は進行し、PFDの脱フッ素化を進行した。なかでも、Liを用いた場合は脱フッ素化率は50%で停止したが、Naを用いるとほぼ完全な脱フッ素が速やかに進行した。 II.近年、環境汚染物質として特に高い毒性のために注目されているダイオキシン類のナフタレニド還元法による脱塩素分解処理の検討を行った。 還元剤としてナトリウムナフタレニドを用い、都市ゴミ焼却飛灰から抽出した塩素化ダイオキシン類の脱塩素分解処理を行ったところ、ダイオキシンのどの成分も99.9%以上分解されることを確認した。また、生体試料抽出物や催奇形性研究からの廃棄物中のダイオキシン類処理を想定して、脂肪分やプロトン性物質の影響を検討するため、飛炭抽出物にバター、エタノールを加えた試料について同様の脱塩素化分解処理を行ったが、分解率は99.9%以上と変化なく、本処理法の高い有効性が実証された。
|
Research Products
(1 results)