1992 Fiscal Year Annual Research Report
格子整合系複合材料を用いたシリコン太陽電池の極限高効率化
Project/Area Number |
04203220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冬木 隆 京都大学, 工学部, 助教授 (10165459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 恒暢 京都大学, 工学部, 助手 (80225078)
吉本 昌広 京都大学, 工学部, 助手 (20210776)
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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Keywords | 太陽電池 / シリコン / 広禁制帯幅半導体 / 格子整合 |
Research Abstract |
本研究は、Siならびにそれに格子整合して成長させた広禁制帯幅GaP系半導体との複合材料系を用い、広い波長領域にわたって太陽光エネルギーを有効に活用し、30%を超える極限高効率を達成する新構造太陽電池を開発することを目的とする。本年度の研究成果の概要は次の通りである。 1.集光動作における変換効率の理論的検討 格子整合系緩衝層を用いたIn_<1->xGAxP/Si複合太陽電池について、太陽光集光時の動作特性を検討した。直列抵抗が低減できれば、集光率30〜100で、37〜39%の超高効率が実現可能であることが分かった。 2.GaP系半導体のヘテロエピタキシーと禁制帯幅の精密制御 熱分解効率の高いターシャリブチルフォスフィンをV族原料に用いることにより、Si上に低温で高品質のGaPを成長させることができた。In/Ga組成比を段階的に変化させるステップ緩衝層を挿入することにより、格子不整合を緩和し、ほぼ鏡面の表面モホロジーを持つ高品位の成長層を制御性良く得ることができた。 3.複合太陽電池への応用に向けて 成長させたIn_<1->xGaxPの吸収係数を実測する事により、我々が提案している半経験的手法による吸収係数導出法の有用性を確めた。上層ならびに下層太陽電池の接合に用いるトンネル接合の直列抵抗について、理論的に検討し、十分低い値が達成できることを明らかにした。 以上、複合材料太陽電池製作において、構造の検討ならびに基礎的結晶成長プロセスは確立された。今後、pn接合を有するSi上にInGaP系半導体を連続成長させ、太陽電池素子を試作することが急務である。
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Research Products
(1 results)